IT企業やメディア大手などが集まり、オンライン上でのユーザー作成コンテンツ(User Generated Content: UGC)の成長・発展と著作権者の権利の両立を目指した共同宣言(Principles)を10月18日(米国時間)に発表した。参加企業は、CBS、Dailymotion、Fox Entertainment、Microsoft、MySpace、NBC Universal、Veoh Networks、Viacom、Walt Disney Companyの計9社。今回の共同宣言の趣旨は、現在問題となっているYouTubeなどのオンラインビデオ投稿サイトへの著作権コンテンツの違法アップロードへの対策にある。

ホームビデオやユーザー自身のプロモーション、あるいはユーザー自身が作成した動画など、UGCの投稿や視聴はインターネットの新たなムーブメントとして認知されつつある。だが一方でそうしたビデオ投稿サイトには一般販売されている楽曲や映画等のコンテンツがそのままアップロードされているケースもあり、著作権者と投稿サイト側とでしばしば議論を引き起こしている。そうしたUGCと違法コンテンツの判別が難しいケースもあり、日々何万とUGCがサイトに投稿されていくなかで、発見と削除のイタチごっこが続いているのが現状だ。

メディア連合9社ではUGCサービスへの対応を共同宣言にまとめ、専用サイトを立ち上げてその全文を掲載している。これら理念を基に、違法コンテンツが一般公開される前のアップロード段階で投稿を防ぐフィルタリング技術を開発し、このフィルタを適用することで著作権違反のない動画コンテンツのアップロードサービスを提供していくという。

今回興味深いのは、共同宣言を行ったメンバーの中に世界最大のビデオ投稿サイトであるYouTubeを抱えるGoogleが入っていないことだ。YouTubeは10月15日に投稿ビデオの著作権違反を検証する新システム「YouTube Video Identification」のベータ版稼働開始を発表したばかり。これにより、従来まで手作業中心だった違法コンテンツの排除をより効率的なものとし、著作権者のニーズに応えようとしている。だが新ツール発表を受けてNBC側が「われわれのニーズを満たすものではない」と不満を表明するなど、著作権者側とは依然として深い溝がある様子がうかがわれる。

経済紙の米Wall Street Journal(オンライン版)が18日に報じたところによれば、発表の前段階で共同宣言への参加を打診する話し合いがGoogleとの間で持たれていたという。だが今回の共同宣言メンバーでもあるViacomがYouTubeとGoogleに対して10億ドルの訴訟を起こすなど対立関係にあり、意見の相違がGoogleの非参加につながったものとみられる。