米Microsoftは10月16日(現地時間)、米カリフォルニア州サンフランシスコ市内で同社のUnified Communication関連製品のローンチイベントを開催した。リリースが正式発表されたのは「Office Communications Server 2007」ほか、360度の視界をカバーするビデオ会議システム「RoundTable」などで、コミュニケーションの幅を広げ、より利便性を向上させる製品やサービスがラインナップされている。

イベント冒頭には同社会長のBill Gates氏が登場し、ビジネスにおけるコミュニケーションの重要性を訴えた。コミュニケーションはインターネット登場以前からビジネス上の重要なファクターであり、インターネットのようなデータ通信が発達した現在ではさらにその重要性が高まっているという。ハードウェアや基幹技術の発展に牽引されてきたコミュニケーションの発展は、今後はソフトウェアによって牽引されるようになり、より利便性の向上した形で進化していくことになるというのがGates氏の主張だ。

続いて登場した同社ビジネス部門プレジデントのJeff Raikes氏は今回発表された新製品群について「"Identity"と"Presence"の2つがコアになっている」と述べる。例えば、電話、携帯、電子メール、IMなど、今日のユーザーはコミュニケーションのために複数の手段を同時に用いている。だが1人のユーザーにアクセスするために電話番号を覚えたり、コンタクトするために複数の手段を試したりすることは非常に効率が悪い。「コミュニケーションとはデバイスと通信することではなく、目的の人物とコンタクトすることだ。1つの"Identity"に、相手の存在を確認して素早くアクセスするための"Presence"。これが新しいコミュニケーションのスタイルだ」と同氏は説明する。

今回アップデートが発表されたのは次の5製品。すでに一部ユーザーを対象に早期導入による試験運用が開始されている。イベントではRoundTableとLive Meetingを活用した事例として、Virgin Megastoreのケースが紹介された。

  • Microsoft Office Communications Server 2007
    IM/SIPサーバやビデオカンファレンス・サーバとして機能するMicrosoftのコミュニケーション戦略の基幹製品。Microsoft Office製品のほか、今年末に登場予定のMicrosoft Dynamics ERP/CRMと連携が可能。
  • Microsoft Office Communicator 2007
    Communications Serverで提供されるコミュニケーション・サービスを利用するための専用クライアント。VoIP/ビデオ会議やIMクライアントとしての機能が統合されている。PC以外にも、携帯電話やWebブラウザ上で利用可能。
  • Microsoft Office Live Meeting
    Communications Serverを利用した会議システム。複数のユーザーが音声やビデオを介して互いに接続され、IMでのテキストチャットやプレゼンテーションファイルの共有など、インターネットを介してバーチャルに会議を行える。
  • Microsoft RoundTable
    360度の視界をカバーするカメラを搭載したハードウェア型の会議システム。これを会議室のテーブル上に設置することで参加者の様子を一斉に送信し、内蔵マイクとスピーカーを使って離れた拠点同士を自然な形でコミュニケーションできるように支援する。利用にあたってはLive Meetingと組み合わせる形となる。
  • Microsoft Exchange Server 2007向けのアップデート
    今回発表された新機能群を利用するためのアップデータ。