サイトランキング大手米Alexaの中国提携パートナーである易比網はこのほど中国国内サイトごとのアクセス数や滞在時間などを集計した「中国サイトランキングリスト」を発表した。総合ランキングでは中国の国産検索サイトである「百度」が1位となり、強さを見せ付けた。

同リストによると、サイト総合ランキングのベスト5は以下のとおり。

順位 サイト名 概要
1 百度 検索エンジンサイト最大手。谷歌(Google)と競争関係にある。
2 騰訊QQ IM(インスタントメッセージ)サービス最大手。ネット放送も展開。
3 新浪 インターネットポータルサイト大手。検索エンジンで谷歌と提携。
4 捜狐 大手ポータルサイト。オンラインゲーム「ポータル17173」を買収。
5 網易 ネットサービスとオンラインゲームの大手。谷歌との提携を停止。

Alexaのサイトランキングは現在、国際的に最も権威のあるサイトランキングで、中国では一部のサイトがベンチャー投資基金を導入する際の重要な指標となっている。易比網CEOの白洛舟氏によると、一部のビジネスサイトは、主にアクセス数で広告収入を増やそうとするため、これまで中国では少なからぬアクセス数のでっち上げ事件が起こってきた。

Alexaはこれまでも一部の国で現地パートナーと共同で多くのサイト番付を行ってきたが、今回は中国で易比網とともに「中国サイト総合番付」を打ち出した。今回の番付で注目されるのは、Alexaの権威あるアクセス分析やページビュー調査以外に、ユーザーのロイヤルティ(同一利用者の利用頻度、ウェブページでの滞在時間、閲覧ページの数量で決定)、ネット上で引用されたウェブページの数量など、多くの新しい指標を取り入れた点。

白氏は、「アクセス数の多いサイトが必ずしも業界トップではない。多くのサイトはお金でアクセス数を高めることができるが、ユーザーのロイヤルティや信頼度、ページ閲覧時間を高めることはできない」と語っている。

外国の同業他社に比べて、中国のサイトではその発展速度に注目が集まりすぎ、ユーザーの使用感やサービス価値には関心が向かない傾向がある。こうした傾向が多くのサイトに、いかなる手段を用いてでもアクセス数を増加させ、業界トップを狙わせる動機になってる。

新たなランキング公表で中国のサイト間競争が一層激しくなるのではという懸念に対し、白氏は、「新たな指標で定まった番付は、これまでの激烈なサイト間競争を緩和することができる。おのおののサイトがより複眼的な視点から自らの長短所を見分け、焦点がアクセス数一辺倒でなくなるからだ」と答えた。

易比網は、中国最大のサイトランキングプラットフォーム。聖福通科技の投資により設立され、グローバルユーザーへの各種製品検索、番付、比較サービスの提供に力を入れている。