中国のIT情報サイトを運営する「天極集団」はこのほど、グループの名称を「天極伝媒」に変更すると発表した。発表会では、傘下の主要事業の再編に伴う新戦略が発表された。

新戦略では、サブブランドとしてIT情報の老舗サイト「ChinaByte」を改名した「比特網」のほか、「天極網」「IT専門家網」「手機(携帯電話)天極」を展開。さらにこれらのサイトのオリジナルコンテンツをパートナーメディアに提供する情報出力プラットフォームとして「IT分衆(IT CPN)」を加えた「4+1」戦略が発表された。

比特網は企業の情報部門のユーザーを対象にしたサイトで、「中国の情報化推進」への貢献を目指す。一方、天極網は、広範なITコンシューマーが対象。IT製品の応用やビジネス情報、購入案内、IT関連でのインタラクティブコミュニティ、ソフトウェアダウンロードなどコンテンツ関連サービスにも力を入れ、”中国のデジタルライフ”をリードすることを目指している。

IT専門家網は、米国のIT製品/サービスの導入・購買支援サイト「TechTarget」と天極とが共同で立ち上げた情報サイトで、政府や経営者などIT製品調達に決定権を持つ人への情報サービスを提供する。手機天極は、天極の無線インターネット分野における無料WAP(Wireless Application Protocol)サイトで、携帯電話ユーザーに携帯関連のIT情報と製品購入案内などのサービスを提供していく。天極伝媒傘下の各サイトは、1日あたりの合計PV(ページビュー)が2,500万超で中国最大級のITポータルサイト群を構成しているという。

事業再編前に消費者向けのアプリケーション供給を行っていた「天極Yesky」、ITコンシューマー向け広告を展開していた「上海立特ビジネス情報広告」などは、「天極網」のブランドの下に統一される。

これまでは天極集団の各事業間の位置付けがはっきりせず、外部のユーザーが識別するのが難しかった。業界筋は、天極の今回の事業再編により、その傘下の主要な事業分野の関係性が明らかになり、同社がより効率的な発展を目指すのに寄与すると分析している。しかし同時に、一部のアナリストは、ChinaByteが業界で長期にわたり影響力を発揮してきたため、比特網への改名後、ブランド影響力に一定のマイナスが出るおそれもあると指摘している。