Googleは26日(米国時間)、iPhoneにおいて動作するRSSフィードリーダ"GWT Feed Reader"を開発したことを発表した。GWT Feed Readerは、GWT(Google Web Toolkit)を使って開発されたRSSフィードリーダアプリケーション。iPhone向けアプリケーションの開発においてもGWTが有効であることを示すために作られたもので、PC上のWebブラウザにおいても動作するという特徴がある。

GWTはAjaxアプリケーションをJavaで開発するためのソフトウェア開発フレームワーク。Javaでフロントエンドを開発し、GWTコンパイラを使ってJavaScriptとHTMLを生成して利用する形態をとる。Webブラウザの非互換性や動作の非互換性の調整に多くの時間を費やす必要がなく、JavaプログラミングのスキルでAjaxアプリケーションシステムの開発を実現できるという特徴がある。

JavaでAjax対応Webアプリケーションを開発する取り組みとしては、既報のとおり最新版がリリースされたjMakiがある。双方ともにJavaを使って開発するが、jMakiがサーバクライアント型のフレームワークであるのに対し、GWTではコンパイル後にJavaScriptとHTMLが生成されるかたちであるため、デプロイすればそのままJavaScriptで開発されたWebアプリケーションのようにWebブラウザで動作するという特徴がある。

開発チームは今回のアプリケーションについて、(1)GWTを使った開発が容易であることを示す、(2)常にネットに接続できるというiPhoneプラットフォームのアドバンテージを生かす、(3)iPhoneユーザに馴染みのあるUIを実現する、(4)GWTがGoogleのほかのサービスと連携できることを示す、といった要件を満たすかたちで開発したとしている。プロダクトはGoogle Codeにおいて公開されている。

同プロダクトを発表することで開発チームは、GWTがiPhone向けのWebサービスを開発する目的にも向いているとし、しかもPC上のWebブラウザでも動作するアプリケーションが同じソースコードベースで開発できると主張している。

発表の言葉を借りれば、GWTとiPhoneは双方ともにとてもクールなテクノロジということだ。GWTに限らず、Ajax対応Webアプリケーションフレームワークや開発環境はiPhoneへの対応を進めている。今後しばらくの方向性としてiPhoneやiPod touchがアプリケーションプラットフォームとして一定の位置を締めることは間違いなさそうだ。