2007年9月中頃、新しいJava JSON-RPC ライブラリ「jabsorb」が誕生した。jabsorbはJavaで開発されたJava/Javascript JSON-RPC ORB (Object Request Broker)。同プロジェクトは既存のプロジェクトであるJSON-RPC-Javaからスピンアウトする形で発足した。JSON-RPC-Javaの成果物をベースとして改善や改良を続けていくとしている。またORB機能を追加していくことも同プロジェクトの目標とされている。

JSON-RPC-Javaからスピンアウトは、同成果物が2006年3月28日以来リリースされていないためだ。リポジトリに対する変更は行われているが、オフィシャルリリースは実施されていない。このため、すでに一部のユーザは手元で改善したバージョンを使っているとみられており、「jabsorb」が誕生した背景にはそうした成果物をマージしていく目的がある。今後1ヵ月から3ヵ月の周期でリリースを実施していくとしている。

21日(米国時間)には最新版となる「jabsorb 1.1」が公開されている。同バージョンではJSONObject/JSONArrayロウシリアライズ機能の実現、SLF4Jロギング機能のサポート、GZIP圧縮機能のサポートなどが実現されたようだ。次期リリースとなるjabsorb 1.2では環状リファレンスへの対応やセキュリティポリシーへの対応、コンストラクタ機能の実現、リモートマップの導入などが予定されている。

これまでJSON-RPC-Javaを採用していたデベロッパは、今後はjabsorbを代わりに使った方がよいだろう。JSON-RPC-Javaの方が追加される機能が興味深いかもしれないが、アクティブメンテナンスされていく点に高い利点がある。JSON-RPC-Javaのオリジナルの開発者とは連絡がとれていないようなので、今後JSON-RPC-Javaが更新される可能性もあるが、しばらくは確実にリリースが予定されているjabsorbに注力した方がよさそうだ。