鹿島、世界初の長周期地震に対応するエレベータ地震時管制システム開発

    青城美紗  [2007/09/03]

    鹿島は8月31日、リアルタイム制御を利用したエレベータ地震時管制システムを世界で初めて開発、実用化したと発表した。このシステムにより、長周期地震が起こった際でも、超高層ビルで発生するエレベータロープの"引っ掛かり事故"を未然に防ぐことができるという。

    現行の地震時管制運転装置は、地震時にいったんエレベータが停止するが、その停止時間は1分程度と限られている。しかし、地震そのものの揺れは小さいものの、ゆっくりした揺れが長時間継続する「長周期地震動状態」でエレベータの運転が再開されると、昇降路内の突出物に引っ掛かる可能性が高まり、その結果として破断等で損傷、事故につながることが多いという。

    本システムの大きな特徴は、建物内に地震計を設置。地震時にロープの揺れ幅が過大な場合には、現行のエレベータ地震時管制に移行させエレベータの運転を休止、ロープの揺れが安全値以内に収束後、運転を復旧させる点だ。

    同社は2003年から地震時における建物とエレベータロープの変位に関して、調査/解析を開始。長周期地震時におけるエレベータロープの揺れをリアルタイムかつ正確に推測する手法を開発し、その手法をもとにエレベータの運行を制御するシステムを実用化した。建物に設置された地震計からの入力加速度の計測値を元に、リアルタイムでロープ振動解析を行い、制御する方法は世界初のシステムだという。

    なお、本システムはエレベータメーカーの制御とは別系統のシステムのため、複数の異なるメーカーのエレベータや既存建物にも適用可能。すでに、2007年7月に竣工した同社の新本社ビルをはじめ、4件の同社設計/施工の高層建物に本システムを導入済みという。

    同社は、2007年10月から実施される緊急地震速報や、同社開発のRDMS(リアルタイム防災システム)を組み合わせ、地震後の建物の機能回復を適切に行うことが可能となる。これにより、本システムを同社の設計/施工の超高層ビルに採用するほか、同社施工の既存の超高層ビルにも採用を進める予定。

    関連記事

    関連サイト

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

      イチオシ記事

      新着記事

      特別企画

      マイナビニュースマガジン