中国のiResearch艾瑞諮詢(以下、「iResearch」と略)はこのほど、「2007年中国在線音楽研究報告」(2007年中国オンライン音楽に関する研究報告書)を公表し、中国におけるオンライン音楽サービスのこれまでの発展経緯と将来の見通しを明らかにした。

オンライン音楽サービスは2001年に中国に上陸、その後多くの専門サイトが出現し、急速な成長を遂げてきた。同サービスの市場規模は、2003年に1,300万元だっだが、2004年には4,500万元となり、年間増加率が241%にも達した。しかし2004年以降は増加基調は維持しているものの、増加率は大幅に下降してきた。

報告書によれば、昨年(2006年)にインターネットから音楽をダウンロードしたり視聴したりしたユーザーは1億1,900万人だったが、そのうち有料サイトを利用し料金を支払ったユーザーはわずか150万人だった。また、昨年のオンライン音楽サービス市場規模は1億1,300万元で、前年比57%増にとどまった。こうした状況の背景には、米Appleの「iPod+iTunes」の大流行と、著作権問題があったとみられる。

iResearchは今後の見通しとして、中国のオンライン音楽サービスは2008年にボトルネックを克服、新たな発展段階に入り、2010年には成熟段階に入ると予測した。その理由として、下記の3点を挙げている。

  1. 今年に入り、新浪音楽、百度MP3、QQ音楽、九城などの大手オンライン音楽サイトが、中国市場に適合するプロフィットモデルの開発に力を入れている
  2. 音楽著作権の保護が強化される一方、関係機構による海賊版に対する取り締まりも厳しくなってきている
  3. 巨大な利益とビジネス機会が潜在していると楽観的な見方を持つ業界内外の企業が積極的な事業参入や投資を実施している

iResearchによれば、第1の点については、「無料視聴と無料ダウンロード+広告」モデルが該当するという。また、第3の点により、オンライン音楽市場の成長が加速されるとしている。