The Jython Projectは22日(米国時間)、Jythonの最新版となる「Jython 2.2」を公開した。JythonはJavaで開発されたPythonの実装系。Jythonを使うことで、Pythonで開発されたプログラムをJava実行環境で動作させることができる。また、PythonとJavaの機能がシームレスに統合されているという特徴がある。

Jython 2.2は、同プロジェクトからリリースされる初のプロダクションレベルのバージョンと位置付けられている。過去6年近い間開発されてきたが、これが初のプロダクションレベルでのリリースとされている。Jython 2.2はC言語で開発されたCPython 2.2に対応したJava実装系。バージョン番号が違っているだけで基本的にはJython 2.2rc3と同じだ。

Jython 2.2では、2.1と比較してJDK1.5およびJDK 1.6のサポートが追加されており、イテレータやジェネリックのサポートが追加されている。また、新しいスタイルクラスの導入、Javaコレクションとの統合、PEP 302の実装、__future__ divisionの導入、新しいインストーラを導入などが行われている。

Jythonのように、Javaでスクリプトの実装系を開発してJava実行環境でスクリプト言語を実行、およびスクリプト言語とJavaとのシームレスな統合を実現しているプロダクトはほかにもいくつかある。Jythonと位置的に近いのはJRubyだ。JRubyは、2007年6月10日(米国時間)にjRuby 1.0をリリースするなど、こちらもマイルストーンとなるリリースが実施されている。

Pythonは最近注目されているスクリプト言語のひとつ。シンプルなシンタックスと機能で、ほかの類似用途で用いられるスクリプト言語に比べて学習が用意であるとされており、また、言語の特性上誰が開発しても同じようなソースコードが生成されるため可読性が高いと言われている。現在主に使われているPythonは2.4や2.5系であるため、Jython 2.2は対応しているバージョンは古い感じがあるが、プロダクションレベルでリリースされたことは歓迎すべきことだ。PythonやJavaを使っている場合には、Jythonも検討対象に加えてみてほしい。