IPテレコムは、サーバ専用のセキュアなLinux「Nature's Linux ver.1.6」をリリースした。これは昨年12月にリリースしたver.1.5.1のマイナーバージョンアップリリースとなる。Linux Kernel 2.6.18.8をベースとしており、フェイルオーバ型クラスタリングサーバを容易に実現できる「VFS Cluster」機能などを追加している。

VFS Clusterは、「VFS領域」と呼ぶアプリケーション領域を2台のホスト(プライマリサーバとセカンダリサーバ)で同期するようインストーラにて設定し、フェイルオーバ機能やフェイルバック機能、ミラーリング機能を備えたクラスタリングサーバを構築できる機能である。なおVFS領域は、安全性を確保したり管理を用意にするため、カーネルなどを実行するシステム領域(RFS領域)と分離している。

具体的には、VFS Clusterは2台のホストのVFS領域だけをミラーリングし、プライマリサーバ側に異常が発生した場合に、セカンダリサーバ側がそれを検出して処理を引き継ぐという機能である。ミラーリング機能には、「DRBD(Distributed Redundant Block Device)」を、フェイルオーバ機能およびフェイルバック機能には「heartbeat」(いずれもオープンソースソフトウェア)を用いている。

Nature's Linuxは、サーバを構成するために最低限必要なオープンソースソフトウェアを組み合わせたサーバ専用のOSである。無償で配布する「Nature's Linux Development Kit」と、有償で配布する商用版の「Nature's Linux Management Service Kit」の2種類を用意している。商用版にはOSのサポートや、24時間体制の保守、運用、監視などを含むマネジメントサービスが含まれる。