2007年7月3日(米国時間)にBeta版を公開し、8月13日(米国時間)にはRC1を公開したThe Dojo Foundationだが、ついに2007年8月20日(米国時間)、The Dojo Toolkitの最新版となる「Dojo Toolkit 0.9」を公開した。Dojo ToolkitはJavaScriptで開発されたAjaxフレームワーク。かなり多くの機能を包括的に提供しているという特徴があり、PrototypeやScript.aculo.usといったライトウェイトなJavaScript Ajaxフレームワークと比較してフルフィーチャAjaxフレームワークと呼ばれる。

Dojo Toolkitのひとつ前のメジャーバージョンリリースは2006年10月22日(米国時間)に公開されたDojo Toolkit 0.4だ。0.9は0.4系の経験に基づいて新しく開発されたブランチで、実行速度の大幅な向上、テーマへの対応、アクセサビリティの向上といった特徴がある。ただし、コアの軽量化や実行速度の向上のために以前のバージョンと互換性が失われている部分があるため、0.4系から移行させる場合にはDojo Porting Guide: 0.4.x to 0.9を参考に作業を行ってほしい。

0.9で注目されるコンポーネントはCore、Dijit、DojoXなどだ。コアコンポーネントであるCoreは圧縮された状態で25KBまで省サイズ化されており、実行速度も高速化されている。コアコンポーネントのみを使う限りではライトウェイトフレームワークと言ってもいいだろう。ウィジェットコンポーネントDijitも機能改善やパフォーマンス向上が実施され、以前は実験的に提供されていた2D描画コンポーネントもDojoXにおいて正式に取り込まれている。

ドキュメントの充実にも注目したい。2007年8月21日(米国時間)には新しいDojo Bookが公開されている。0.9はこのまま改善を続け1.0のベースとして採用されることになる。JavaScript Ajaxフレームワークを検討するにはいいバージョンだ。興味があるデベロッパはDojo Toolkit 0.9を調査されたい。