ラオックスは3日、秋葉原にある旗艦店「ザ・コンピュータ館」について、店舗を売却し、閉館することを公式に認めた。売却先は不動産業のアイ・キャピタル・エステート。地下1Fにあるメイドカフェが閉店の告知を行い、その中で「ザ・コンピュータ館が幕を下ろすことになり」とあったことから、噂になっていた。

ラオックスの「ザ・コンピュータ館」。奥には新アキバの象徴とも言える秋葉原ダイビルが見える

3日に公表された「固定資産の譲渡による有利子負債の完済予定について」という文書の中で明らかにされたもの。

この中で、売却理由については「運用効率の低い大型店舗を売却して、有利子負債を完済し財務体質を強化するため」としており、この売却によって今期中に有利子負債を完済する目処が立ったという。売却価格については協議中。経営再建中の同社は、4年前に424億600万円あった有利子負債を、今年8月3日の時点で55億6,600万円まで圧縮することに成功していた。

ラオックスの「ザ・コンピュータ館」は、コンピュータ専門店の1号店として1990年4月にオープン。秋葉原のランドマーク的な存在として親しまれてきたが、パソコンが普及する中で埋没化。経営も悪化し、2005年8月には、「デジタルライフ・スタイル提案と、初心者にも優しいPC総合専門店」というコンセプトのもとに、大規模なリニューアルも行っていた。

神田明神通り側の入り口。いつもワゴンセールが行われていた

もう一方の入り口。地下1Fにはメイドカフェも入っている

今回の発表によれば、8月上旬にもザ・コンをアイ・キャピタル・エステート側に売却し、店舗は9月30日をもって閉鎖するという。ただし、同社は「代替地における同店名での運営等については現在検討中」としており、「閉店」ではなく「移転」になる可能性も残している。