キャッツは、組み込みシステム開発向けのCASE(Computer Aided Software Engineering)ツール「ZIPC Version 9.1」をリリースした。今回のバージョンから、欧州の車載機器向けソフトウェアの業界団体であるThe Motor Industry Software Reliability Association(MISRA)が策定したC言語を使ったソフトウェア開発のガイドラインであるMISRA-Cに準拠したコードの自動生成が行えるようになった。

本ツールは、状態遷移表に階層化やマルチタスク処理のための概念を加えた独自の「拡張階層化状態遷移表」(EHSTM)を用いて、モデリングやモデルのシミュレーション、コードの自動生成などを行うものである。ソフトウェアの事象や状態の組み合わせをすべて列挙できるため、処理の漏れが防げる。

今回のバージョンでは、シミュレーション速度が約3倍に向上した。また、外部コマンド登録機能の追加やモデルの書式チェック機能の強化、実装前のモデルデバッグ機能の強化などが図られた。また、サポートするデバッガに新たに「microVIEW-PLUS」(横河ディジタルコンピュータ製)や「TIDE」(東芝セミコンダクター製)、「ID78KOR-QB」(NECエレクトロニクス製)が加わった。

価格は、スタンドアロン版が108万450円、チームフローティング版が162万1,200円。