マイクロソフトは26日、企業ユーザー向けの取り組み強化策の一環として、エンタープライズサービス事業の強化を発表した。

まず登壇した同社の代表執行役兼COO兼ゼネラルビジネス担当の樋口泰行氏は、「日本に根ざした会社になる」ことを目指す同社の「Plan-J」への取り組みが3年目を迎えたことから話を始めた。また、従来はデスクトップソフトウェアに集中していた事業を、PCの利用法を「デジタルワークスタイル」と「デジタルライフスタイル」とに明確に分離してそれぞれに取り組むことで、エンタープライズ市場向けの事業を強化していくという取り組みが行われていることを紹介した。エンタープライズ市場向けに法人向けソリューションビジネスを展開するにはサービスの強化が重要な鍵となり、そこで今回の体制強化の発表へと繋がっているという。

また同氏は、「従来は"こういう製品があります"というプロダクトアウト型のメッセージが多かったが、今後はユーザーの課題に対応し、コンサルティングから運用保守までエンド・ツー・エンドでトータルソリューションを提供していく体制を強化する」とした。

続いて、同社の執行役 常務 エンタープライズサービス担当の平野拓也氏が、エンタープライズサービス事業戦略の詳細を説明した。まず同氏が紹介した同社のサービス事業のミッションは、「マイクロソフト製品の新技術の展開と加速」「生産的な運用と利用を促す」「製品の改善」の3点だという。このミッションを踏まえて今回表明されたサービスビジネスの重点項目は、

  • 「わかりやすさ」と「使いやすさ」の追求
  • 企業の基幹システムを支えるサービスの確立
  • パートナーとの協業の強化
  • 品質改善活動の推進

の4点となる。

マイクロソフト 代表執行役兼COO兼ゼネラルビジネス担当 樋口泰行氏

マイクロソフト 執行役 常務 エンタープライズサービス担当 平野拓也氏

サービスビジネスの4つの重点項目

わかりやすさ/使いやすさに関する具体的な取り組みとして今回発表されたのが「オファリング」によるサービスの提供だ。同氏はオファリングを「パッケージ化されたサービス」と説明し、従来は個別案件ごとに個別対応を行ってきたため、結果としてサービス品質にばらつきが出たりしていたが、新たにオファリングを加えることで、需要の多いサービスにはパッケージ化されたオファリングで対応し、個別対応が必要な部分については従来通りのカスタムサービスで対応するという切り分けが実現する。

なお、オファリングは大きく7つに大別されており、中核となるのは同社製品と連動し、ベストプラクティスをIP化したものとなる。今後6 - 9カ月程度で4つのオファリングをリリースし、本会計年度中に10種程度のオファリングを整備する予定だという。

このほか、体制強化に関する取り組みとして、サービス事業の人員を今後3年間で現在の250名少々から500名以上に増強する計画も明らかにされている。