風力発電やバイオマス利用で先行する中国エネルギー事情

 

日本計画研究所(JPI)は20日、中国の再生エネルギーへの取り組みなどをテーマにしたセミナー「中国のエネルギー事情の現状と展望」を、東京都千代田区で開いた。2006年の風力発電装置の累積設置台数が世界第6位となるなど先進的な取り組みが進んでいることや、バイオマス資源の利用が農村を主に活発に行われていることなど、中国エネルギー事情に関する最新の情報が紹介された。

地域ごとに「エネルギー供給リスク」が存在

三菱UFJリサーチ&コンサルティング コンサルティング事業本部 東京第1本部 シニアコンサルタントの青野雅和氏が講師を務めた。青野氏はまず、中国のエネルギーの消費・生産の状況について説明。2006年の中国のエネルギー消費は世界の16%を占め第2位、前年比8.4%増だった。燃料別の生産・消費状況を見ると、石炭の生産量は世界1位、消費量1位、石油は生産量6位、消費量2位、天然ガスは生産量16位、消費量16位で、生産・消費とも世界で大きな位置を占めている。国際エネルギー機関(IEA)によると、2030年における中国のエネルギー消費量は2002年比の2.39倍となり、2002-2015年の年間エネルギー増加率は約5.5%になると予測している。

エネルギー需要が急速に発展する中、中国の原油の輸入依存度は2005年に約50%に達している。青野氏はこうした状況について、「中国は国内資源確保のため、『輸入できるものは輸入する』という方針をとっている。こうした政策はレアメタル(希少金属)でも同じ」と指摘した。

電力事情については、天然ガスなどの利用により、2005年度までの電力不足が解消されつつあるとし、2013年までに、西部や北部など石炭や水力資源が豊富な地域で生産された電力を、東部や南部の経済発展地域に供給するプロジェクトが進行中と説明。ただ、電力生産に天然ガスが使われた結果、上海に対する天然ガス供給が不足した例をあげ、「中国内に工場などを建設する際は、エネルギー供給に関するリスクを地域ごとに常に考える必要がある」と強調した。

中国の石炭消費量は年々急速に増加している

省エネが課題となる中、広東省では補助金制度を充実させている

海洋風力発電などの取り組みも

また、エネルギー需給の増大傾向が強まるにつれ、中国では再生可能エネルギーに対する期待も高まっている。2006年には「再生可能エネルギー法」が施行され、風力やバイオマスなど、再生可能エネルギーで生産された電力は全て、配電網による買い取りが義務付けられた。

こうした政策を受け、特に風力発電に対する取り組みが進んでいる。2006年の風力発電装置の設置台数は累計260万4,000kwと世界6位だったが、このうち約半分にあたる134万7,000kwが2006年に新設されたものだった。風力発電装置の製造でも、中国内のメーカーが健闘しており、2006年の累積風力発電装置設置比率でも、GE WindやGamesaなど外資系企業が66%を占める一方、中国企業も31%を占めている。中国企業の中でも、特に金風(Gold Wind)の勢いが目覚しく、国内メーカーの累積設置比率で83.4%を占めている。

青野氏は中国の風力発電について、「不良債権化しているものもあるが、とにかく事業スピードが速い。上海・洋山港の海洋風力発電など、新たな取り組みも進んでいる」と述べた。太陽光発電装置に関しても、「中国メーカーの技術レベルは非常に高い」と指摘。「日本や欧米に輸出するだけの力がある」と述べた。

ESCO事業にビジネスチャンス

さらに、バイオマス資源の潜在量でも、中国は世界の約12%を占める。青野氏によると、バイオマス資源によるメタンガスの利用は中国の農村では古代から行われており、現代でも、農村対策として政府が特に重視しているという。バイオマス利用の方法としては、バイオマス発電と熱利用が中心。豚小屋、トイレ、メタンガス発酵槽、日光温室からなる4点セットが「北方農村エネルギー生態モデル」として重点普及プロジェクトになるなど、積極的な取り組みが行われているという。

「ESCO事業にビジネスチャンスがある」と語る青野氏

また、青野氏は、安価なエネルギー価格やエネルギー効率の低さなどにより、なかなか進まない省エネについて、「ESCO(Energy Service Company)事業が日本企業にとってもビジネスチャンスになる可能性がある」と指摘。同事業は、工場やビルなどの省エネルギーに関する包括的なサービスを企業などが提供する事業で、経費は顧客の省エネルギーメリットの一部から受取る仕組み。中国では1996年から、モデル事業を開始している。

青野氏は最後に、中国におけるジメチルエーテル(DME)への取り組みを紹介。DMEは、石炭や天然ガスなどの化石燃料や家畜の糞尿、下水汚泥から製造可能な燃料で、燃焼時に硫黄酸化物やススを排出せず、窒素酸化物は極めて少ない。同氏は、上海市の路線バスにおけるDMEの利用状況などについて説明した後、「中国ではLPGよりもDMEのほうが安いくらい。DMEの輸出入権を保有する中国企業と日本の商社などが連携し、日本に向けに輸出される可能性も高まっている」と述べた。



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