半導体製造装置メーカであるオランダのASML Holding NVは18日(現地時間)、最新の液浸露光装置「TWINSCAN XT:1900i」の初号機を出荷したことを発表した。同社によると、XT:1900iは量産チップレベルで36.5nmのパターンを解像できる世界で唯一の半導体露光装置だという。順次製造を拡大し、年内には多数の主要半導体メーカに向けて出荷する予定。

同社のTWINSCANシリーズは、独自の「デュアル・ステージ・システム」により、1枚のウエハの露光を行いながら、もう1枚の計測を同時に進めることが可能。これにより、生産性を維持しつつ、高い精度を実現している。XT:1900iでは同社の従来品であるXT:1700iと同様に、レンズとウエハの間に液体を入れる液浸露光技術を採用している。

XT:1900iでは、この「HydroLith液浸技術」により、1.35という高い開口数(NA)を実現しており(XT:1700iではNA=1.2)、36.5nmのパターンを解像することが可能となっている。そのほか、4.6nmという重ね合わせ(自号機合わせ)や、1時間あたりのウエハ処理数が131枚という高い生産性も実現した。

同社のMartin van den Brink執行副社長(マーケティング・技術担当)は、「ASMLの液浸技術は、世界トップの半導体メーカからの要求に対応している。XT:1900iは、実績のあるASML液浸装置シリーズの最新機種で、顧客はこれにより、36.5nmという前例のない解像度まで量産能力を拡大することができる」と述べている。