米IBMは11日、Webサービス仕様など、自社の特許技術150種類以上を公開し、ロイヤリティフリーで自由に利用できるようにしたことを発表した。ソフトウェアおよびハードウェアの相互運用性が高まり、訴訟問題の低減につながれば、と期待を寄せている。

同社はすでに、自社サイト内に「Interoperability Specifications Pledge」というタイトルのWebページを開設。同ページにて、各種仕様やプロトコルなど、IBMが保有する特許技術150種類以上を公開している。開発者はロイヤリティフリーでこれらの技術を自由に使用できるという。

公開されている技術の中には、XML、SOAP(Simple Object Access Protocol)、XACML(eXtensible Access Control Markup Language)、XSL(Extensible Stylesheet Language)など、Webサービスに関する仕様やプロトコルが多数含まれている。多くは、World Wide Web Consortium(W3C)やOASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)などの標準化団体が所有する、あるいはその予定の技術という。そのほかにも、IBMが米Sun Microsystemsなどと共に推進しているドキュメントフォーマット「OpenDocument Format(ODF)」に関するものなどが並んでいる。

IBMはこれまで、こうした特許技術を社外の者が採用する際にはロイヤリティフリーの契約を結ぶことを義務付けていたが、今後はその契約が不要になるという。ただし、ユーザーが法的な主張をしないことが前提であり、IBMが不適切とみなした場合は特許に関する申し立てを起こすとしている。Interoperability Specifications Pledgeでの特許公開は、これらの仕様を実装する開発者、ディストリビューター、製造業者だけでなく、エンドユーザーや顧客も対象となる。

IBMではこの特許公開の狙いとして、オープンソース/商用の両ソフトウェアやコンピュータ機器における相互運用性の向上を促進することを挙げている。また、特許訴訟を抑制し、イノベーションの奨励にもつながるとの見解も示している。