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米オラクル ディック・ウォルベン シニア・バイス・プレジデント |
日本オラクルは、同社の2008年度(2008年6月-2009年5月)のアプリケーションビジネスの基本戦略を示した。米オラクルで日本アプリケーションビジネスを担当する、ディック・ウォルベン シニア・バイス・プレジデントは「日本には、未だパッケージソフトの市場はない」と述べ、手作りのシステムに比べ、依然、比重の小さなERPを拡大して、独自開発のアプリケーション主体である国内のこの領域の流れを変換させることを図る。
同社によれば、国内のITサービス市場の規模は14兆5,660億円だが、パッケージはそのうち10%であり、さらに、エンタープライズ・ビジネス・アプリケーションはその20%で、ERPはそのまた29%という状況となっており、市場全体に占める割合は0.6%に留まる。「ERPは1%未満であり、のこりはすべてカスタムビルド」(ウォルベン氏)というのが実態だ。
ウォルベン氏は、このような状況を踏まえたうえで「オラクルは、付加価値の高い、魅力あるパッケージソフトを顧客に提供して、日本のシステム・インテグレーターが高い収益性を上げられるよう支援していきたい。オラクルが成功すれば、国内で(本格的な)パッケージソフトの市場を創り出すことができる」と話す。
これからの時代、同社が重視するのは「外向きのシステム」だ。ウォルベン氏によれば、「この25年くらいを振り返ると、ERP導入の主目的は、もっぱら会計、経理の処理だった。それが、財務、在庫管理などへと広がった」(同)が、今後は「顧客は、会計を自動化するというような、いわば内向きのシステムだけではなく、ITにより業務プロセスを統合し、サプライヤーであれば、ソフトを売りやすくできるようなソリューション、あるいは、業界の流れを分析できるような機能、これらのような外向きのシステムが求められる。売上を伸ばそうとする経営者は、外向きのシステムをこそ望んでいる」と力説する。
調査会社の報告によると、1980年から2003年までは「内向型ソリューション」への投資額は1兆3,000億ドル、「外向型ソリューション」へのそれは6,600億ドルだった。それに対し、2004年から2014年までのCAGR(Compound Annual Growth Rate:年平均成長率)では、前者は5.9%だが、後者は11.1%で、2004年から2014年までの投資予想額は外向型が3兆ドル、内向型は2兆3,000億ドルとなり、逆転する見通しであるという。
この2年半で、米オラクルは33社を買収してきたわけだが、それらの企業の守備範囲は多岐にわたっており、通信、公共事業、流通など業界特化のアプリケーションもあれば、需要予測、BI関連などもある。同社は、これらの施策は「外向きのソリューションへの投資」(同)と位置づけており、潜在力の大きな「外向型」の市場に照準をあわせている。
このように、企業が、外部との取引と、社内の業務、情報とをITにより連携させ、戦略的なビジネス展開に応用していく「外向型ソリューション」を推進するためには、基幹業務を支えるERPを中核に、CRMやSCMとの有機的な環境構築が求められる。そこで必要になるシステム統合のための、統合基盤として同社は「AIA(アプリケーション統合アーキテクチャ)」を擁している。今回、同社はAIAの構成要素である、「プロセス統合パック」を2007年7月10日から提供開始するとを発表した。
「プロセス統合パック」は、ビジネス・プロセス実行言語(BPEL)により定義され、業務プロセスと、「Oracle E-Business Suite」「PeopleSoft Enterprise」「JD Edwards EnterpriseOne」「Siebel Business Applications」など、「Oracle Applications」を連携させるため、XMLやWSDLで記述されたサービスやオブジェクト、さらに、パッケージ・アプリケーション固有のデータ表現を変換するビジネス・コネクタ・サービス機能がある。「AIA」は、オラクルのミドルウェア製品群「Oracle Fusion Middleware」を基盤としており、同社では、他社のアプリケーション製品や「手作り」のアプリケーションを導入している場合でも、「Oracle Fusion Middleware」により、「AIA」を活用して「Oracle Applications」を含む異種混在環境のシステム統合が可能になる、としている。
同社は2007年度には、米オラクルが買収した企業のアプリケーション製品群を整え、中堅・中小企業向けの取り組みも強化するなどの策を講じ、「日本で最も身近なソフトウェア会社になる」(同)ことを掲げた。その結果「日本では、アプリケーションの売上は60%増加」(同)するなどの成果があった。ウォルベン氏は「ライセンス売上が推進力になる」と強調する。これが起爆剤となり、導入、サポート、コンサルティングへと広がるからだが、同社の事業はパートナーとの協業が大きな柱の一つであり、これらの要素は、パートナーへの効果ももたらす。ウォルベン氏は「パートナーが成功するような『経済』をつくる」と強調する。
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