米Freescale Semiconductorは、ARM9コアのマルチメディアプロセッサ「i.MX27」の量産出荷を開始した。1万個購入時の1個あたりの参考価格は14.86ドル。本製品を利用することにより、V2IP(Video and Voice over IP)対応のモバイル機器において、SDTVクラスのマルチメディアデータを扱えるようになる。

本製品は、プロセッサコアに最大400MHzで動作する英ARMの「ARM926EJ-S」を採用している。また、プロセッサコアの負荷の削減を図るハードウェアアクセラレータや、並列処理のためのクロスバースイッチを組み合わせた「Smart Speed」と呼ぶアーキテクチャを採用している。これにより、高い周波数での動作や低消費電力化が実現できる。

周辺回路としては、USBインタフェースやEthernetインタフェース、マルチメディア処理用のハードウェアアクセラレータ(eMMA)を備えている。このeMMAにより、解像度720×480ピクセルのMPEG-4やH.263、H.264といったマルチメディアデータを処理できる。そのほか、デリングやデブロック、色空間変換、ズーム、スケーリングなどの前処理および後処理を、マルチメディアデータのCODEC処理と平行して実行することもできる。

本製品のデモは、6月25~28日(現地時間)に米フロリダ州オーランドで開催された同社のプライベートショー「Freescale Technology Forum Americas 2007」においても披露された。