W3Cは27日(フランス時間)、「Web Services Description Language (WSDL) Version 2.0」をW3C Recommendation(W3C勧告)として公開した。WSDLはWebサービスを記述するための規約。2.0では通信プロトコルとしてHTTPおよびSOAPに対応しているほか、エラーおよび障害記述能力の向上、継承機能の追加、インポート機能の追加などが実施されている。公開された仕様を構成しているのは次の3つのドキュメント。

同発表では仕様の策定に長い時間をかけてきたこと、厳密な実装試験と相互運用検証を実施してきたことを述べており、デベロッパにとって十分価値のある仕様に仕上っていることが主張されている。またSOAPにおいてWS-Addressing、WS-Security、WS-ReliableMessagingなどの機能を使わない場合は、かわりにHTTPが使えるようになっている点が評価できる。

Webサービスを使ったシステムを開発する場合、サービスの相互運用を可能にする標準規約の存在が欠かせない。WSDL 2.0はそうした課題を認識したうえで策定されてきた規約で、次世代Webサービス開発において標準的仕様になるとみられている。特にSOAPとHTTPに完全対応している点が高く評価できる。多くの場合において適切なサービス記述言語と位置付けられるだろう。

WSDL 2.0に対応したWebサービス関連の規約は今後、順次公開される見通し。またW3Cには多くの企業が参加していることから、WSDL 2.0が業界標準の仕様として採用されるのは確実だとみられる。関連するデベロッパは同規約を調査されたい。