米Googleは6月26日 (現地時間)、非営利または公益組織の活動を支援するプログラム「Google Earth Outreach」を発表した。Google Earthを通じて様々な情報を公開するのに必要なリソースやサポートを提供する。

Googleは4月に米国ホロコースト記念館と共同で、スーダンのダルフール地方で起こっている人道危機の実態を伝える"Global Awareness"レイヤーの提供を開始した。Google Earth Outreachは、米国ホロコースト記念館とのプロジェクトと同様の情報公開を幅広い非営利組織や公益組織が実現できるようにする。

Google Earth Outreachには、オンラインガイド、ビデオチュートリアル、非営利組織向けの事例集などが含まれる。またGlobal AwarenessパートナーやGoogle EarthのKML(Keyhole Markup Language)レイヤーの開発を支援するプログラマーなどを結ぶオンラインフォーラムが用意される。フォーラムは、活発な議論、Google Earthコミュニティの幅広い協力が実現するように、Google Earth Outreachのスタッフによって管理される。対象となる組織は有料版のGoogle Earth Proの無料提供プログラムへの申し込みも可能。承認された場合は、追加のテクニカルサポートを受けられる。

Googleはまた、以下の3つのGlobal Awarenessレイヤーの追加を明らかにした。

  • Global Heritage Fund (GHF):マヤ遺跡のエル・ミラドール、麗江古城など、GHFが保存に努める世界の文化遺産が対象。考古学的な価値や保存のための取り組みを紹介する。
  • Earthwatch Expeditions:野生生物や生態系などの環境保全研究を支援するEarthwatchの100以上のボランティア活動を紹介する。マダガスカルのキツネザルの生態記録、メキシコやカナダにおけるコクジラの数と気象変化の関係調査など。
  • Fair Trade Certified:中南米、アジア、アフリカの70以上のFair Trade Co-opsを紹介。Fair Tradeは農村地域や都市のスラムなどに暮らす人々に仕事の機会や情報を提供する。自然農法、自然素材、伝統技術を用いた工芸品など、その土地の特徴を活かした事業開発を支援する。

Earthwatch Expeditions:マダガスカルのキツネザルの生態記録