ゲームポータルの「Hangame」などを運用しているNHNは、資本金100億ウォン(約13億2,944万円/1円=0.1329ウォン)を投入し、ゲーム制作スタジオ「株式会社 nPluto」(以下、nPluto)を設立したと発表した。

nPlutoはNHN内にあった「ゲーム制作センター」を分離して設立された企業。そのため代表には同センター長だったファン・ソンスン氏が任命されることとなった。またnPlutoの持分の51%はNHNが保有することとなるほか、残りはNHN USA前代表のムン・テシク氏などが持つことになる。

会社規模は100人強程度。ゲーム専業的な組織になるため、専門性と効率性が高まり、変化にも柔軟に素早く対応していくことができる。こうした体制を通じて「ゲーム制作における競争力を強め、優秀なゲーム人材を育てていく」(NHN)のがNHNの狙いだ。

NHNが別途のゲーム制作スタジオを作るのは、これが初めてのことではない。2004年には「NHN Games」を設立している。NHN Gamesではその後MMORPG「アークロード」「R2」などのヒット作を世に送り出すと、これらのゲームを日本をはじめとした海外でもサービスするなど好調だった。

「成功裏にランチングできたNHN Gamesが、今回の決定をするにあたり良い事例となった」とNHNが明かしているように、NHN Gamesの成功例が今回のスタジオ別途設立に際して大きく背中を押したようだ。

NHN GamesのほかNHNでは2006年4月に、ゲームメーカーのneopleを買収している。neopleはアクションゲーム「DUNGEON & FIGHTER」、スポーツゲーム「新野球」などを制作したメーカーで、おもにカジュアルゲームを得意としている。

一方nPlutoは、アクションレーシングゲームの「Skid Rush」を手がける。これはカジュアルゲームと同水準の手軽さはないものの、MMORPGなどの大作ゲームよりは簡単にできる、難易度が中間程度のゲームだ。

このように今後は3つのゲームメーカーで、それぞれ異なる性質のゲームを担当し、ゲーム制作ネットワークを強化してコンテンツの幅を広げていく。これと同時に韓国だけでなく日本や中国、米国といった海外市場で、現在サービス中のゲームポータルの強化も目指す。

NHNは2007年の第1四半期に、史上最大の売上額を記録し好調の波に乗っている。この好調を支えている要因の1つが、前年同期比で25%程度売上額を伸ばしたゲーム事業だ。

同社では「今後ゲーム制作スタジオが持つ幅広い制作ノウハウと、NHNによる強力なグローバルプラットフォームがシナジーを創出し、ゲーム部門で世界的な力をつけられるよう最善を尽くす」と述べている。

今後は3つのゲーム制作スタジオをフル活用して、世界規模でのゲームサービス強化に全力を挙げる方針だ。