LG電子が「3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long Term Evolution) 」(以下、LTE)技術の商用化を目指す団体のメンバーになったと発表した。同社によると、同団体に加入するのは韓国企業としてははじめてのことだという。

LTEは3G方式であるW-CDMAの拡張技術。3G方式の仕様などの標準化を行うプロジェクト「3GPP」により、この規格の標準化作業が行われている。

今回LG電子が加入したのは、LTE技術の商用化を目的に設立された「LSTI(LTE/SAE Trial Initiative)」だ。ここににはLG電子のほか、Vodafone、Orange、T-Mobileといった大手携帯電話事業者から、Ericsson、Nortel、Alcatel-Lucent、Nokia-Siemens Networksなどの大手通信装備業者まで、100以上もの企業がメンバーとして参加している。

実行している業務は、LTE技術の検証や規格開発、性能や互換性などのテスティングなど。こうした作業を通じてサービスコストの削減やデータ転送率の効率化など、商用化をよりスムーズに行うための研究開発を行っている。

LG電子は今年2月、上り/下りともに20Mbpsの速度を実現したLTE技術の商用化レベルでの試験運用を「世界で初めて」(LG電子)成功させている。その後世界各地でLTEの試験運用を行うなど、これまで同社はLTE技術の開発とアピールに注力してきた。

LTEの商用化を強力に推し進めたいLG電子は「現在GSMサービスで世界市場の80%を占めている欧州の大型携帯電話事業者や、通信装備メーカーが大挙参加している」(LG電子)LSTIが、LTE商用化に弾みをつける大きな存在となることを十分認識しており、同社がここに加入するのも必然的な流れといえる。

LG電子ではLSTI加入により「大型移動通信事業者や通信装備メーカーたちとの緊密なパートナーシップを通じて、次世代移動通信市場をリードするための足がかりを作った」と述べている。次世代の通信規格をリードするため、LG電子の積極的な動きは加速度を増している。