米Googleは6月25日(現地時間)、同社が提供するGoogle Appsに「電子メール・マイグレーション」を含む、複数の新機能追加を発表した。Google AppsはGmailやDocs & Spreadsheetsなど、Googleがオンライン上で提供しているアプリケーション・サービスをまとめ、企業用のスイート製品として提供しているもの。個々のアプリケーションを別々に利用するのに比べ、グループ内でコラボレーションしたり、管理者が専用コンソールで管理できるなどの面で企業向けにアレンジされており、99.9%の連続稼働を保証するSLA付きの有料サービスPremier Editionなども用意される。

今回提供される主な新機能は下記のとおり。

  • 電子メール・マイグレーション:Google AppsのPremier/Education Editions向けに提供されるサービス。既存のIMAPメールサーバ上のデータをGmailに移行するためのウィザード機能が管理者コンソールに提供される。これにより、Gmailの検索機能で既存のメール群から目的のデータが探しやすくなる。既存システムでアカウントごとに作成されているメールフォルダは、Gmail移行の際に同名のラベルが付与される。マイグレーション対象となるのは現在、Exchange 2003、Cyrus、Courier、Dovecotのみ。Googleによれば、今後順次マイグレーション可能なシステムの数を増やしていく計画だという。
  • 共有アドレス帳:「Choose from contacts」のリンクを選択することにより、同一組織内の連絡先一覧から簡単に目的の電子メールアドレスを入手できる。
  • 添付ファイルの容量増加:単位メールあたりの添付ファイル容量の上限が従来比2倍の20MBになり、大容量ファイルの送信や共有が容易になった。
  • 複数ユーザー同時チャット:Google Talk Gadgetで複数ユーザーの同時チャットをサポート。企業のスタートページに同ガジェットを配置して3人目以降のユーザーを招待することで、複数人による同時チャットが可能。
  • Google Docs & Spreadsheetsでのチャート(グラフ)サポート:スプレッドシート上にグラフを埋め込むことが可能な機能が近々追加される。Googleではチャート機能サポートにあわせ、Docs & Spreadsheetsのビジュアル上のリニューアルを行う計画。