WSO2は11日(英国時間)、FLOSS ESBソリューション「WSO2 Enterprise Service Bus (ESB) 1.0」を発表した。WSO2 ESBはApache Synapse 1.0をベースにして開発されたESBソリューション。Apache Synapseの最新版であるApache Synapseの1.0は8日(米国時間)に発表されている。

WSO2 ESB 1.0はApache SynapseのXMLルータおよび仲介エンジンを拡張しているほか、簡単に管理できるグラフィカルインタフェースが追加されている。WSO2 ESB 1.0における主な機能は次のとおり。

  • 非ブロックHTTP/HTTPS通信機能による大規模コネクションへの対応
  • ロードバランス機能、フェイルオーバ制御機能、スロット機能へ対応
  • プロキシーサービスのサポート(通信規約: HTTP/HTTPS/JMS/SMTP、インタフェース: WSDL/Schema/Policy、メッセージフォーマット: SOAP/POX、QoS: WS-Security/RM、最適化スイッチ: MTOM/SwA)
  • Ajaxベースリッチ管理コンソールの提供(管理、モニタリング、ポリシーの策定、ルーティング設定、変換設定など)
  • 高い柔軟性を実現する設定モデルのサポート(XSLT、XPath、JavamRuby、JavaScript)
  • 再起動不要の動的設定反映機能

非ブロックHTTP/HTTPS通信機能により、大規模コネクションに対する高速な処理実行が可能になっている。また統合されたレジストリ/リポジトリ機能により、設定を動的に反映でき、システムダウンを実施することなく設定を反映できるようになっている。

WSO2 ESB 1.0の特徴のひとつに、簡単にサービスを仮想化できるというものがある。このため、既存のアプリケーションソースコードに手を加えることなくユーザレベルでのルーティング、ロードバランシング、ログ、モニタリング、サービス管理などを実現できる。

WSO2 ESB 1.0は機能のベースにApache Synapse 1.0を採用し、管理インタフェースやエンタープライズマネージメントなどの周辺サービスを追加してまとめあげたソリューション。Synapseは2005年8月22日(米国時間)にApache Incubatorとして開始されると発表されており、実質的に2年ほどの開発期間を経ての1.0リリースとなった。