半導体製造のための露光装置(リソグラフィーツール)を開発・製造するオランダのASMLは、受注の活況を受けて、同国のVeldhovenにある本社敷地内に、新たなクリーンルームの増設工事を開始したことを発表した。

ASMLの本社ビル。

本社メインタワーより敷地を俯瞰。遠方に、新クリーンルームの工事現場が見える。

ASMLは現在25000平方メートルのクリーンルームを持っているが、今回の増設により6000平方メートルの新たなクリーンルームが生まれ、クリーンルームのフロア面積は24%増大する。同社はクリーンルーム内でリソグラフィーシステムの検査・組み立てを行っており、フロア面積の増大は生産能力の向上を意味する。工事はまだ始まったばかりであり、2008年第2四半期に完成する見込みだ。

現在同社は受注が非常に好調であり、2006年は35億96百万ユーロという過去最高の売り上げを達成したほか、2007年の第1四半期も53%増の売り上げを記録しており、これら受注の好調を受けての工場増設となる。また、既存の組み立てラインが次世代のEUV露光装置を作るには小さすぎるため、新しいクリーンルームにおいてEUV露光装置の検査・組み立てラインを作る計画だ。

ASMLのCEOのEric Meurice氏は、「我々の顧客は、チップの機能当たりのコストや、チップのバリューを高める半導体の製造方法をずっと探し続けている。ASMLは半導体業界の中で最もコスト効率の高い、優れたリソグラフィーツールを製造し続けるつもりである」と述べている。