新製品を発表する大古俊輔社長

シトリックス・システムズ・ジャパンは6日、Webアプリケーションデリバリーのさらなる高速化を実現する新製品「Citrix NetScaler System 8.0」(以下NetScaler 8.0)と、事業拠点間のWAN環境のアプリケーションデリバリーを最適化する「Citrix WANScaler」(同WANScaler)を発表した。「WANScaler」の国内市場投入は初。Webアプリケーションの需要が高まり使用環境も複雑化する中、エンドユーザーによるWebアプリケーションへのアクセスを最適化することで、企業のグローバル展開を支援する。両製品とも7月2日に国内出荷が開始される予定。

「NetScaler 8.0」は、カスタムOSをベースに開発。AppExpert Policy Engineを全ての機能設定のベースメントとし、運用が簡単に行えるようになっている。機能設定の際は、AppExpert Visual Policy Builderの画面から命令形式で設定が可能で、「他社にはない機能」(同社)という。また、アプリケーションレイヤーへの攻撃からサーバーを防御するファイヤーウォール機能をOSに統合、セキュリティ面も強化している。さらに、エンドユーザーパフォーマンスのモニタリング機能を提供することで、Webアプリケーションに対するアクセスの遅延があった場合も、ネットワークのどの段階で遅れの原因が生じているのかを追跡・把握することが可能となっている。

国内初投入となる「WANScaler」は、WANを介して利用するアプリケーションを高速化。Auto Optimizer Engineにより、事業拠点間のアプリケーションデリバリーを最適化することができる。セキュリティ上の理由などからサーバーが本社にしかない場合などにも、同製品を採用することで、レスポンスタイムの大幅な向上を実現することができる。技術的には、トンネル技術を使わないフルトランスペアレントにより同製品導入のハードルを低くしたほか、対向の「WANScaler」を自動的に検知できるオートディテクション/トポロジーフリーを実現している。

シトリックス・システムズ・ジャパンが新しく発表した「NetScaler 8.0」(左)と「WANScaler」(右)

同社によれば、Fordが「NetScaler 8.0」を導入、サーバーが従来の半分で済むようになったほか、オペレーションコスト削減の効果もあったという。また、「WANScaler」もLarge Media Companyが導入、Webアプリケーションデリバリーの大幅な機能向上があったという。

「NetScaler」シリーズは、ネットワンシステムズ、マクニカネットワークス、CTCが販売パートナーとなる。価格は3,062,300円から。「WANScaler」はCTCが販売パートナーとなり、「モデル8000シリーズ」が850,000円からとなっている。