オプスウェア、データセンターの「遅延ゼロ」を実現するソリューション発表

    白石俊平  [2007/06/06]

    6日、データセンター運用の自動化ソリューションを提供する企業、オプスウェアによる製品説明会が行われた。同社の最高技術責任者であるTim Howes氏により同社のプロダクトであるOpsware System 6.5についての詳細な説明が行われ、その後製品のデモンストレーションが行われた。

    米オプスウェア社は、世界初のブラウザとして名高い「Mozaic」の開発者でありNetscapeの創立者であるMarc Andreessenを会長とし、CTOにLDAPプロトコルの開発者であるTim Howes氏(今回のスピーカ)、NetscapeやAOLでいくつかの部門の最高責任者を務めてきたBen Horowitz氏をCEOとする、データセンターの自動化ソリューションにおいて成長率世界一、市場シェアで世界第2位の企業だ。

    Tim Howes氏

    Opsware System 6.5は、ITシステムのデータセンターが抱えるさまざまな問題点を解決する製品だ。近年のITシステムの発展/複雑化により、データセンターはその維持費の増加が著しい。今回の発表で示されたグラフによると、世界規模で見た場合、新しいサーバの購入に充てていた費用と、その維持のための人件費を比較した結果、1996年時点では前者が後者を大きく(3倍程度)上回っていたが、2006年時点ではそれらは逆転し、後者が前者の2倍近い結果となっており、そうした傾向(維持費の増加)はこれからも続くだろうとの見通し。

    Howes氏の説明によると、この維持費の多くは、データセンターにおけるサーバ運用において、さまざまな遅延が発生することによる多くの無駄から生じているという。そうした遅延の原因となっているのは、UNIX管理者/Windows管理者/ネットワーク管理者/コンプライアンス担当者…といった人員が、ビジネス上のプロセスに複雑に関わり合い、コミュニケーションや連携のために相当なコストをかけていることが挙げられる。また、そうした管理者たちは近視眼的にしかシステムを捉えることができておらず、データセンターを構成する「ネットワーク」「サーバ」「ストレージ」などの要素のうちのほんの一部しか視野に入っていないので、横断的な判断を行うことができないことも、多くのミスを誘発し、遅延を発生させる原因となっている。

    こうした状況においては、システムの全体を把握できている人間が本当の意味では存在せず、ある部分に加えた変更がシステムにどういう影響をもたらすのかを予測できない。よってアプリケーションはダウンし、人件費がかさみ、企業は損害を被るのである。

    Opsware Systemを使用すると、こうした状況は一変するという。ネットワーク、サーバ、ストレージの管理はそれぞれ個別に自動化される。そしてそれらがVisual Application Managerという機能により、完全に1つのビュー上に統合して可視化されるというのが、競合製品に対するOpsware Systemの強みだという。その上で、データセンターの運用に求められる多くの作業を自動化するための「Opsware Process Automation System」という機能も提供されている。こうした機能により、運用/維持にかかるコストや、システムの変更におけるリスクを大幅に低減しする。

    Opsware Systemの全体像

    こうした機能のデモンストレーションとして、データセンター内のサーバに対してセキュリティパッチを当てるというシナリオが紹介された。セキュリティパッチのダウンロード、上司への承認依頼、モニタリング担当者やネットワーク管理者へのサーバリブートの連絡など、さまざまなプロセスを「Opsware Process Automation System」によって可視化されている様子が示された。

    Opsware Systemによるプロセスの可視化

    Opsware Systemを導入することにより、ITILの適用や、今後急速に増加すると考えられる仮想化されたサーバの管理なども容易になると考えられる。またサーバ管理においては、Windowsに導入されたPowerShellやRed Hat Networkとも統合されているため、セキュリティパッチの導入などの導入を完全に自動化することもできる。

    Opsware Systemは、現在のところ日本での導入事例(沖電気株式会社やアイアイジェイテクノロジー社など)は少ないが、海外では多くの金融機関や政府系機関に採用された実績を持つ。データセンター自動化ソリューションは、日本ではまだ市場が立ち上がったばかりだというのが採用事例の少なさの原因であり、今後は市場の成長の後押しとともに、セミナーの開催やパートナー企業との連携などによりシェア拡大を狙うとのことだ。

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