業務アプリケーションの大手ベンダである独SAPは30日、同社の技術およびアーキテクチャ戦略を率いるCTO職を新設し、初代CTOにVishal Sikka氏が就任したと発表した。同氏は米国カリフォルニア州パロアルトにある同社オフィスを拠点とし、主として米国市場を担当する。

Sikka氏は、同社の製品ポートフォリオ全体における技術およびアーキテクチャ戦略をまとめ、一貫したロードマップを作るという任務を担当する。長期的視野で見た同社の研究および開発活動に方向性を与え、同社の次世代アーキテクチャにマッピングする。これにより、明確かつ調和のとれたロードマップを顧客に提示していくという。同社はCTOを支援するオフィスとして「Office of the CTO」も併せて立ち上げた。Sikka氏は米国パロアルトを拠点として業務を行う。

Sikka氏はこれまで、SAPでアーキテクチャ担当副社長兼チーフソフトウェアアーキテクトを務めていた。ここでは製品とインフラのアーキテクチャの方向性やロードマップを担当してきたことから、新ポストでの任務に大きな変更はないといえる。

今回のCTOポストの新設は、今年4月に辞任したShai Agassi氏の穴を埋める目的がある。プロダクト&テクノロジーグループ社長を務めていたAgassi氏は次期CEOと目されていた人物で、同社のミドルウェア技術「SAP NetWeaver」やSOA、オンデマンド戦略の指揮を執ってきた。Sikka氏が着任したCTOポストはAgassi氏の職務を全部カバーするものではないが、米国市場強化、中規模市場とオンデマンドへのフォーカスなどでAgassi氏の穴を部分的に埋めることになりそうだ。同社は業務アプリケーション分野に進出した米Oracleと強い競争関係にあり、中でもOracleの本拠地である米国市場の強化は大きな課題となっている。

Sikka氏は、スタンフォード大学でコンピュータサイエンスの修士号を取得した。同氏はアプリケーション統合技術を開発および提供するBodhaを設立、CEOとして同社を率いた。その後、Bodhaが米Peregrine Systems(現Hewlett-Packard)に買収されたことを受けPeregrineに入社し、プラットフォーム技術を担当した。その後、現在のSAPに入社した。