米Boseは、乗用車の座席で、臨場感あふれる5.1chサラウンドを実現する新オーディオシステムの研究開発を進めており、米特許商標庁(USPTO: United States Patent and Trademark Office)に、同システムの特許を申請した。

「HEADREST SURROUND CHANNEL ELECTROACOUSTICAL TRANSDUCING」として提出された特許申請ドキュメントによれば、車内座席シートのヘッドレスト部分に埋め込まれるオーディオスピーカーが、新システムの最大の特徴となる。ゆったりとシートに座り、ヘッドレストに頭をもたれかけると、ちょうど両耳の後ろからオーディオが再生され、ダッシュボード、リアボード、左右ドアにも装備されたスピーカーと組み合わされて、車内に理想の5.1chサラウンド再生環境を整えられるという。

また、ドライバーシートのヘッドレストに搭載されるスピーカーは、他の電子機器との連動も考慮されており、ナビゲーションシステムの音声が流れたり、携帯電話に着信したりすると、自動的に再生中のオーディオ音量が落とされ、必要な音声を十分に聴き取れるようになっているという。一方、他のシートに座っている人は、引き続き中断されることなく快適なオーディオ再生を楽しめるように配慮されている。

なお、同社は今回の特許申請技術を、主に自動車内のオーディオシステム構築に役立てていくとしているものの、鉄道や飛行機内の座席への搭載や映画館などの新設備に応用していく可能性についても言及している。