LG.Philips LCD(以下、LGP LCD)はアモルファスシリコン(a-Si)技術を適用した、フルカラー フレキシブル AM 有機EL(アクティブマトリックス式有機EL)を開発したと発表した。

世界初、フルカラーのフレキシブル AM 有機EL

今回LGP LCDが開発した製品は米UDCとの共同開発によって実現したものだ。「フレキシブルディスプレイにもっとも適合した技術として認められている」(LGP LCD)という有機ELを使用しているほか、高解像度・フルカラーおよび、耐久性、安定性などを持ち合わせているのが最大の特徴だ。

大きさは4インチで、QVGAクラス(320×240ピクセル)の解像度を実現。ここで1,677万カラーを表現することが可能となっている。厚さは、髪の毛とほぼ同等の150μmだ。さらに基板はステンレス材質の金属箔を採用することで耐久性を強化すると同時に、放熱性を向上させることで製品の安定性を高めているという。

LGP LCDによると、カラー フレキシブル AM 有機ELの実現可能性については、ここ2年間でいくつかの企業が論文発表を通じて提起してはきたものの、実際にサンプルを公開するのは同社が初めてだという。

ただし今回の製品は単なるサンプルにとどまらないのも特徴だ。カラー フレキシブルディスプレイとしては「世界で初めて(同社)」、a-Si方式が適用されているものなので、生産には既存のTFT-LCD生産ラインを利用することができるという。こうして実際の製品化可能性を高めているのも、今回開発された製品の特徴なのだ。

LG.Philips LCDが開発した、カラー フレキシブル AM 有機EL

フレキシブルディスプレイ分野で技術力保有

LGP LCDでは今週、カラー フレキシブル電子ペーパーも開発した。これは米E-inkとの共同開発で、サイズは14.1インチ、最大4,096カラーもの表現が可能だ。

こちらも基板はガラスではなく、金属箔とプラスティックとを使用している。金属箔による基板上にはTFTを配し、電子ペーパーを曲げても元通りに復元できるようにした。またプラスティック基板上にはカラーフィルターをコーティングすることで、鮮やかな色表現を可能としている。視野角は上下左右180度なので、どこで折り曲げても前面から映像を見るようにはっきり見えるのが特徴だ。

次々とフレキシブルディスプレイの開発に成功しているLGP LCD。同社提供の資料によるとフレキシブルディスプレイの市場は、2010年に59億米ドル(約7,139億円/1ドル=121円)、2015年には120億米ドル(1兆4,520億円)に拡大する展望だという。

こうした市場拡大に備え、同社ではこれまで「フレキシブルディスプレイに関する、130以上の特許を出願している」といい、この技術力を活かして今後も薄型や軽量といった面に焦点を当てたフレキシブルディスプレイの開発に取り組んでいく方針だ。

LG.Philips LCDが「世界で初めて(同社)」開発した、カラー フレキシブル電子ペーパー。14.1インチはA4用紙と同等の大きさだ