MicrosoftとNovellは7日(米国時間)、WindowsとLinuxの相互運用性確保を目指す両社の提携関係に、Dellが参加したことを発表した。2社連合と考えられていた提携関係は、大手ハードウェアベンダーであるDellの参加により新たな局面を迎える。

提携の合意書には、DellがSUSE Linux Enterprise ServerのライセンスをMicrosoftから購入することと、Dellの顧客でない既存LinuxユーザをSUSE Linuxへ移行させるためのマーケティングプログラムとサービスを用意することが記されている。

MicrosoftとNovellの提携は、共同販売契約推進のほか、WindowsとLinuxの相互運用性確保、特許など知的財産の相互利用に及ぶ広範なもの。2006年11月の発表以降、Microsoftが販売したSUSE Linux Enterprise Serverのサブスクリプションサービスは、AIG TechnologiesやDeutsche Bankなどの大手企業を含め4万件を超えるという。

DellのLinuxに対する取り組みは、この1カ月で大きく変化した。5月1日には、英Canonicalとの提携により、Linuxディストリビューション「Ubuntu」を家庭用デスクトップおよびノートマシンにプリインストールするサービスを開始している。今回のMS-Novell連合への参加は、Microsoftとの良好な関係の維持とLinuxの取り組み強化という相反する要素をうまく解決でき、さらにサーバ市場のシェア拡大も狙えるという点で、Dellにとっては実利のある取り組みといえる。