米Micrel Semiconductorの日本法人であるマイクレル・セミコンダクタ・ジャパンは、携帯電話や無線通信機器のRF(Radio Frequency)部の電力管理用IC「MIC2807」を発売した。電力を効率的に使うために3つの出力を備えており、CDMA2000、W-CDMA、UMTS、EDGEといった規格に対応した携帯電話や、Wi-Fi、WiBro(韓国独自の無線規格)などを用いた無線通信機器などで利用できる。

携帯電話などのバッテリで駆動する機器においては、機器の動作時間を長くするために効率的に電力を使うことが求められる。本ICは、電力の消費が大きいRF部のパワーアンプ部に効率的に電力を供給するものである。

入力電圧は2.7~5.5V。機器の状態に合わせて電力を供給できるよう、出力に降圧レギュレータ(1つ)と2つのLDO(低ドロップアウト)レギュレータの計3つを用意している。

降圧レギュレータは、D-Aコンバータを外付けで用意することにより、出力電圧を調整できる。また、熱検出センサを備えており、出力異常や過大電流といった異常状態を検出できる。異常状態が検出された場合にシャットダウンを行う回路も内蔵している。出力モードとしては、PWM(パルス幅変調)モードとバイパスモードの2つを備えている。PWMモードは2MHz、600mA、0.3~3.6Vを出力可能。バイパスモードは1Aを超える電流を供給できる。内蔵のバイパススイッチ(75mΩ)をONにして、RFパワーアンプにバッテリから直接電力を供給することなどができる。

LDOレギュレータからの出力電流は、一方は200mAでもう一方は30mA。LDOレギュレータは32μVrmsと低ノイズであることが特徴。また、リプル除去比は70db(1kHzで動作した場合)。

パッケージは17ピンのMLF(外形寸法は2.5×2.8×0.85mm)。本ICの量産出荷はすでに開始されている。1,000個購入時の1個あたりの価格は、2.50ドル。