Samsung電子は2007年第1四半期の業績を発表した。営業利益がここ4年間で最悪を記録するなど、同社にとっては厳しい業績発表となった。

Samsung電子の第1四半期は、売上が14兆3,900億ウォン(約1兆8,400億円)、営業利益が1兆1,800億ウォン(約1,500億円)を記録し、前期比で売上が8%減、営業利益は42%も減少する結果となった。大幅に減少した営業利益は、2003年の第2四半期に記録した1兆1,610億ウォン(約1,485億円)以来の水準となっている。

これほどまでに業績が振るわなかった最大の理由の1つは半導体にある。

半導体(Semiconductor)部門の売上は4兆4,800億ウォン(約5,740億円)で前期比17%減、営業利益は5,400億ウォン(約690億円)で同68%減となった。

半導体部門の業績がこれほどまで下落した主要な要因としては、「NAND型フラッシュやDRAMが季節的な閑散期に入り需要が少ない中、半導体メーカーによる90ナノ工程の安定化により、DDR2 DRAM供給が増えて予想以上に大幅な価格下落が起こったため」と同社では説明している。

半導体同様、LCD部門も不振だった。売上額は前期比11%減少の2兆8,400億ウォン(約3,640億円)、営業利益は700億ウォン(約90億円)。

Samsung電子ではこの理由について「季節的閑散期の影響で、大型パネルの販売量が小幅に減少し、価格下落も持続したため」であると説明しており、そのため「LCD業界の大部分で業績不振が見込まれる」(同)とも分析した。

一方、情報通信(Telecommunication Network)部門は「閑散期であった」(同)にも関わらず好調だった。売上は前期比わずか1%減の4兆6,000億ウォン(約5,900億円)、営業利益は前期比72%増の6,000億ウォン(約760億円)を記録している。

とくに携帯電話の販売台数は、前年同期比で30%、前期比で6%増加の3,480万台を売り上げ、四半期別で最高を記録、成績向上に大きく貢献した。世界最薄の携帯電話シリーズ「Ultra Edition」などの高級製品が安定した売れゆきを見せていたのに加え、中国を始めとした新興市場への販売比重が増加しているのが業績好調の理由だという。

このほか、デジタルテレビなどのデジタルメディア(Digital Media)部門の売上は、前期比8%増の1兆5,500億ウォン(約1,986億円)、エアコンや冷蔵庫など生活家電(Digital Appliance)部門の売上は前年同期比13%増の7,700億ウォン(約985億円)となっており、他部門ほどの大きな変化はなかった。

振るわなかった今回の成績を振り返り、Samsung電子は「今回は半導体の業績が落ちてしまったが、これは短期的な価格急落による一時的な現象であり、すでに3月からは価格が安定し始めている」と述べ、「短期間の利益に執着せず長期的な競争力を維持する戦略を進めつつ、下半期に需要回復や価格安定といった市場状況が改善されれば、業績も大きく改善されるだろう」と今後に期待をかけた。

Samsung電子の第1四半期の売上。YoYは前年同期比、QoQは前期比。単位は兆ウォン
出典: Samsung電子
(以下のグラフも同様)

Samsung電子の第1四半期の営業利益