富士通は18日、2Mビットの単体FRAM「MB85R2001」と「MB85R2002」の量産が確立したと発表し、同日より受注を開始した。サンプル価格はそれぞれ2,000円。

FRAM(Ferroelectric Random Access Memory:FeRAMとも呼ばれる)は、強誘電体膜をデータ保持用のキャパシタに利用した不揮発性メモリである。EEPROMに比べて書き換え回数が多く、データの書き込みを高速で行える。また、低消費電力であることや高い耐タンパ性を備えているといった特徴がある。同社では1999年にFRAMの量産を開始して以来、単体製品およびFRAM搭載製品を合わせて、世界市場で約5億個を販売したという。

今回発表された「MB85R2001」と「MB85R2002」は、それぞれビット構成が異なる。MB85R2001は256kワード×8ビット構成、MB85R2002は128kワード×16ビット構成である。電源電圧はそれぞれ3.0~3.6V、動作保証温度範囲は-20℃~85℃。リードアクセスタイムは100ns、リードサイクルタイムおよびライトサイクルタイムは150nsである。データ保持期間は10年で、データ書き換え回数は約100億回。パッケージには、同社の1Mビット品である「MB85R1001」「MB85R1002」と同様の48ピンのTSOPを採用している。

本FRAMは、事務機器のイベント数カウントやイベントごとの各種パラメータとログの格納などの用途で利用できる。また計測器などにおいて、電源遮断時にデータをFRAMに高速書き込み、データの消失を防ぐといった使い方もできるという。