214万部を超えるベストセラーとなったリリー・フランキー原作の映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』が14日に公開初日を迎え、主要出演者による舞台挨拶が東京・丸ノ内ピカデリー2で行われた。

左から:小林薫、内田也哉子、樹木希林、オダギリジョー、松たか子、松岡錠司監督

『東京タワー』は、リリー・フランキーが亡き母への思いを中心に、親と子、社会と個人、時代によって変わるものと変わらぬものの姿を綴った自伝小説を映画化した作品。リリーのサイン会に足を運んで映画化を直訴したと言う松岡錠司監督は「長い旅が終わり、肩の荷が下りると言う感じでしょうか」と挨拶。「観客の皆さん自身が何かを思い返したり、もう通り過ぎてしまった人を思い出したり、大切な人を思う、そんな作品になったのではないかと思います」

公開初日の翌日は、リリー・フランキーの母の7回忌だそう。「計算したわけでもないのに、不思議な気持ちです」と松岡錠司監督

主役のボクを演じるオダギリジョーは、実は出演を半年も断り続けた。「皆がリリーさんをイメージして読んだであろう作品を、自分が演ずることはすごく考えた。でも台本からイメージしたことは決してリリーさんじゃなくて、自分自身の経験だったり、自分と母との関係だったり。結局はリリーさんではない、ただの男に落ち着けることが出来ました。今となってはこの映画に関われて良かったと思います」と笑顔を見せた。

自分の母にとってどんなボクだと思うか?の質問に「最近はすごくいいボクだと思いますね」と笑うオダギリジョー

「今日は朝9時からずっと化粧しておりまして、顔が重たいです」と挨拶したのは、物語の"真の主役"とも言えるオカン役の樹木希林。夫である内田裕也から前夜「明日初日だろう。頑張れ、ロックンロール!」との激励のFAXが届いたそう。一両日中にそっと観に行く、と言うメッセージに「あの派手なオトンがどうやってそっと行くのか……想像すると恥ずかしい。今から布団を被って隠れるしかないです」と爆笑トークで会場を沸かせた。

内田也哉子の歩く後ろ姿を見て、役作りのために「ちょっと関取みたい」なオカンの歩き方を学んだと話す樹木希林

オカンの若い時代を演じるのは、樹木と内田の娘・内田也哉子。今作が女優デビュー作となるが「これが最初で最後だと思ってますが、どこかお祭り的な気分で1つ1つの出来事を楽しませていただいてます」と素直な感想を披露。樹木からアドバイスは特になかったが「遺伝子レベルでは繋がってるので」安心して演技が出来たそうだ。

実生活では2人の子のオカンである内田也哉子。「子役の3人とずっと一緒にいたので、スッとそのままオカンにならせてもらえる、恵まれた環境でした」

飄々と生きるオトン役の小林薫は「時々オトン、の小林薫です。今日はホンマもんのオトンが会場に見えているそうです。この場を借りて、だらしないオトンになってしまって、申し訳ありませんでした」とユーモラスな一面を発揮。

ボクの恋人・ミズエ役の松たか子は「オカンとボクといるだけで楽しくて。ただそれを感じて、その場にいれば良かったという感じです。演じてみて、結果的に思うのは、ボクにとってもオカンにとっても気にならない存在だったのかなと。そんな風に演じられていたら、自分としては役に立てたのかなって思います」と、オカンとボクをそっと見守る役どころそのままの感想をもらした。

「希林さんと也哉子さんと撮影の期間を過ごしたので、(2人の夫である)裕也さんと本木君のことが非常に身近に感じられました」と小林薫

作品を通じて家族との関係を思い直した? との質問に「子は一生、子なので、何を親の幸せとするかは一概には言えませんが、心身共に健康であることでしか孝行出来ないのでは」とコメントする松たか子

『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』は全国松竹系でロードショー中

高鳥真由美(コミュニティ・アド)