米McAfeeの研究機関Avert LabsのBlogエントリによると、USENIX主催のカンファレンスである「HotBots '07」においてボット/ボットネットに関連した多くの講演が行われたという。

エントリによると、HotBots '07は11のプレゼンテーションやパネルディスカッションなどで構成されており、講演者の多くは米国の学術関係者であったという。また、エントリを投稿したAllysa Myers氏は、依然としてIRCボットが主流であったことに好奇心をくすぐられたようだ。暗号化や、カスタムのIRCコマンド、あるいはP2P型の指令サーバを使うものは全体の10%に満たないのだという。

加えて、ボット研究者にとって知らず知らずのうちに踏み込んでしまう危険な場所があることについて、このカンファレンスでは議論がなされたとされる。それは「法的な規制などによって、善人が自己防衛する際に『できること』と『できないこと』の区分は担保される」一方で、それらの規制は悪人のプライバシー権益までをも対象としてしまうのだという。

この言及はおそらく「Legal Issues About Botnet Tracking and Response」のパネル内容だと思われる。ボットネットの追跡に関する法的な担保についての議題の1つであったのであろう。

Myers氏はエントリの最後に「胸を熱くしたこと」として次のような一文を残している――「このような制限、危険性にもかかわらず、問題の追及に情熱を注いでいる人々のコミュニティが存在している。そして、単なるセキュリティ業界という枠を超えた動きとなっているのだ」