公開されたイメージ。Atlas Vの先端にDream Chaserが取り付けられている

米SpaceDevは10日(現地時間)、同社が開発を進めている再使用型有人宇宙船「Dream Chaser」について、大型ロケット「Atlas V」で打上げるための検討に入ることを発表した。Atlas Vを開発・製造する米United Launch Allianceと、協業に関する覚書(MOU)を締結したもの。Dream Chaserは6~8人乗りの宇宙船で、2009年の初フライトを目指している。

Dream Chaserは、米航空宇宙局(NASA)の「HL-20」をベースに開発が進められているという垂直離陸・水平着陸型の有人宇宙船。サブオービタル(弾道飛行)・オービタル(周回軌道)のどちらにも対応可能とされ、国際宇宙ステーション(ISS)への往還にも利用できるとしている。SpaceDevは史上初の民間有人宇宙船となった「SpaceShipOne」にエンジンを提供した実績があり、Dream Chaserにも同様にハイブリッド型のエンジンが搭載される。

United Launch Alliance(ULA)は、Lockheed MartinのAtlasシリーズとBoeingのDeltaシリーズを保有する合弁企業で、両社の出資により2006年に設立された。Dream Chaserの搭載が予定されるのは最新の「Atlas V」ロケットで、SpaceDevとULAの両社で商業打上げサービスに向けた技術的な要件について検討するとしている。Atlasシリーズは本来、使い捨て型の無人ロケットであるため、Dream Chaserによって初の有人打上げとなる可能性がある。

Dream Chaser搭載時のAtlas Vのコンフィギュレーションは、固体ロケットブースター(SRB)を3本装着する「431」型(打上げ能力:LEO時で13.62トン)となる見込み。詳細については明らかにされていないが、プレスリリースに掲載されたイラストには、Atlas Vの先端にDream Chaserが取り付けられている様子が紹介されている。