The FreeBSD Projectは10日(米国時間)、2007年第1四半期ステータスレポート(以下、2007Q1SR)を公開した。2007Q1SRにおけるもっとも注目すべき報告は、ZFSがFreeBSDソースツリーへマージされたことだ。FreeBSD 7.0-RELEASEで実験的機能としてユーザの前にお目見えすることになる。また、SMPに関する性能改善も注目に値する。マルチコアシステムにおけるスケーラビリティが大きく改善しており、FreeBSD 7系における目玉の1つとなるだろう。

また、Luigi Rizzo氏からは、LinuxデバイスドライバをFreeBSDにおいてビルドするためのLinuxカーネルAPIエミュレーションレイヤが報告されている。これは、長らくFreeBSDで対応されていなかったUSB webcamをサポートするためのもので、LinuxカーネルAPIをFreeBSDカーネルAPIへマッピングするレイヤを設けることで実現している。同エミュレーションレイヤはすでにdevel/linux-kmod-compatにportとして用意されており、さらにmultimedia/linux-gspca-kmod、multimedia/linux-ov511-kmodという2つのwebcamドライバがportに提供されている。このportによって200を越えるwebcamがサポートされることになる。

LinuxカーネルAPIをマッピングすることで、すべてを実装しなくともLinuxデバイスドライバをビルドすることが可能になる。今後は、メモリマッピング、PCIバスアクセス、ネットワークスタックAPIなどの実装が予定されており、より多くの周辺機器をLinuxデバイスドライバを使ってサポートできるようになる。