ロシアのセキュリティ企業Kaspersky Labは2日(現地時間)、法人向けセキュリティスイート「Kaspersky Open Space Security(KOSS)」を発表、提供を開始した。企業で利用が増えているモバイル端末にも対応した包括的セキュリティ製品という。

KOSSはネットワークパラメータとノードの両方から脅威に対応するセキュリティ製品で、位置、端末、プラットフォームを問わずに企業システムを保護できるという。

特に、モバイルユーザー、遠隔ユーザーの保護は大きな特徴で、オフラインとオンラインの両方に対応した。これにより、ネットワークに接続していないノートPCに対しても、マルウェア対策ソフトのアップデートの頻度、システムスキャンの頻度、パーソナルファイアウォールなどのポリシーを設定でき、最大限の対策を講じられるとしている。米Cisco Systemsの「Cisco Network Admission Control(NAC)」もサポート、切断したコンピュータを再接続した際も状態を確認し保護できるという。

ウイルスなどに感染したシステムが検出された際は、端末を隔離し、ネットワーク管理者は感染源を追跡できる。また、サードパーティ製ソリューションとの互換性もあり、中央で一元的に管理できることから、TCOを削減でき、透明性が増すとしている。

KOSSの土台となっているのは、同社のマルウェア対策ソフト最新版「Kaspersky Anti-Virus 6.0」だ。最新版では、署名ファイルベースの保護機能に「Proactive Defense」と呼ばれる機能を補完することで、潜在する脅威にも対応した。インタフェースも一新して使いやすくしたほか、プロセッサ、メモリ、ネットワーク帯域などのリソース利用率も縮小し、性能を強化した。「Windows Vista」にも対応済み。

Kasperskyでは、KOSSを保護レベルに応じて4層で展開する。最上位となるのは「Kaspersky Total Space Security」で、ワークステーション、ファイルサーバ、メールサーバ、インターネットゲートウェイの保護機能と管理者キットで構成される。次がワークステーション、ファイルサーバ、メールサーバと管理者キットの「Kaspersky Enterprise Space Security」、ワークステーション、ファイルサーバ、管理者キットの「Kaspersky Business Space Security」、そしてワークステーションと管理者キットの「Kaspersky Work Space Security」となる。