中国政府のIT戦略がうかがえる「情報産業『十一五』企画」

    清水華  [2007/03/07]

    中国国家発展と改革委員会と信息産業部はこのほど、過去3年にわたり検討策定した「情報産業『十一五』企画」を発表した。

    同企画によれば、2010年までに中国の情報産業の年間伸び率は17.6%に、総収入は10万億元に達する。電子情報製品の輸出額は総輸出額の35%を占めるまでになり、そのうち電信業が8,860億元で年間伸び率7.6%、電子情報産業が9万億元で同18%、郵政業が990億元で同8%の伸び率に達する。また、電話ユーザーは10億世帯に達し、携帯電話ユーザーも6億世帯に達する。さらにインターネット利用者数は2億を越え、15%の普及率に到達、念願の「村々通」が実現できるとしている。

    同企画は、2010年までに海外電信業務市場における中国市場のシェアを拡大し、基礎電信運営企業の管理力と競争力を大幅に向上させ、高付加価値サービスを提供できる企業を作り上げるとともに、ソフトウェア、集成回路、新型デバイスなど電子情報重点産業の規模を4倍増とし、世界でも特色と影響力のある産業基地と産業パークを形成するとしている。また、今後数年間にわたり、農村と中西部地域の通信インフラ建設を強化し、電信運営業に川上川下で相互補完的な産業チェーンを形成、RFID資源の合理的な配置により、無線電信業務の調和的な発展を図っていく。

    また、集成回路、ソフトウェアおよび新型デバイスが情報産業発展のボトルネックとならぬよう、12の情報産業重大項目、すなわち集成回路、ソフトウェア、次世代モバイル通信、次世代インターネット、デジタル視聴、ブロードバンド、アドバンスト・コンピューティング、新型デバイス、電信普及サービス、ネット情報セキュリティ、郵政サービス施設ならびに無線電信監視に取り組む。

    さらに同企画は、先進的な国家情報インフラの構築と、電信網、テレビラジオ放送網、インターネット網という「三網」を融合させ、ハイビジョンデジタルテレビ、ブロードバンド無線モバイル通信、次世代ネットワーク、ネット情報セキュリティ、家庭ネットワーク、およびインテリジェント端末などの重要プロジェクトを推進することを謳っている。

    産業基地、および産業パークの建設と産業配置の最適化も、企画の重点とされている。産業規模が大きく、研究開発力に強みがあり、基幹企業が集中する産業基地、および産業パークの発展をサポートし、国家産業基地と特色ある産業パークを自主革新の主体とし、海外進出へと向かうプラットフォームを形成することを目指す。同時に、地域間の産業構造調整をおこないつつ地域別に個性ある発展を図り、東部と中西部が各自特色を出し合い、相互補完的なマクロ産業構造を形成していく。

    具体的には東部先進地区で資本と技術集約型産業を発展させ、自主革新力を強化し、産業構造のアップグレードを実現させる。戦略的かつ段階的に中西部と東北地区の産業発展を支持し、中核都市と重点地区で特色のある産業を発展させていく。さらに、将来的には行政区分の制限を打破し、長江デルタ、京津冀都市圏の両経済圏に、効果的かつ互動的な産業基盤を建設していくという。

    「十一五」は、そもそも中国が調和ある発展とゆとりある社会の建設を目指す国家戦略であり、いわば「社会主義調和社会」を目指す重要戦略である。情報産業「十一五」企画は、こうした文脈のなかで、中国情報産業の持続的、かつ健全な発展を図ろうと策定されたものとみられる。

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