インテルが仮想化技術記者説明会を開催、I/O仮想化や次世代拡張の話題も

塩田紳二  [2007/02/23]

インテルは22日、クアッドコアプロセッサに搭載されている仮想化技術VTについての説明会を開催した。

インテルのCPUには、VT-x(IA-32)もしくはVT-i(IA-64)と呼ばれる仮想化技術が搭載されている。今回の説明は、IA-32が中心で、現在のVT-xおよび、次世代(VT Generation 2)の拡張や、I/O関連の仮想化技術などについてだった。

インテルの仮想化技術(VT)ロードマップ。CPUに関してはVT Gen2、チップセットでは、VT-dなどを投入し、メモリ管理やI/O性能を向上させる予定。

最初に登場した、インテル マーケッティング本部デジタル・エンタープライズ・グループ テクニカル・マーケティング・エンジニア 岩本成文氏は、「事例に見るクアッドコア インテルXeonプロセッサーと仮想化の高い親和性」と題して、クアッドコアプロセッサにおける仮想化機能について解説を行った。

現在出荷されているクワッドコアXeon(X5355 / E5345 / 5320 / 5310)には、すべてVT-xが搭載されており、その性能の高さから、仮想化技術を使ったサーバ統合などに最適であると述べた。その理由として、「(性能的な)ヘッドルーム」、「互換性」、「信頼性」を挙げた。ヘッドルームが意味するところは、

  • クワッドコアで8Mbytesのオンダイキャッシュを持つプロセッサ
  • 最大64GB搭載可能なFB-DIMMを採用しているメモリシステム
  • VT-xによる仮想化のハードウェアアシスト/li>
  • 最大8ポートのギガビットイーサーネットでは、CPU負荷が従来の60%になっている(インテルQuickDataテクノロジー)

などであるとした。

また、従来のデュアルコアXeonとのソケット互換性から、2Wayサーバシステムでクワッドコアを使えば、倍のコア数を備えるシステムが構築できる点、クアッドコアは、デュアルコアと同じ価格帯であることから、大幅な価格性能比が実現できること、Core 2のアーキテクチャでは、消費電力が抑えてあることから、冷却、電源システムへの負担が増えないといった理由を挙げた。

続いて、仮想サーバを使い、ホスティングサービスを行っているIMJネットワークの代表取締役である山田敏博氏が、社内で行った評価結果について発表した。

シングルコアXeon(3.66GHz)4Wayサーバ(4コア)と、クアッドコアXeon(2.66GHz)2Wayサーバ(合計8コア)で、20個の仮想マシン(ゲストOSはWindows XP)を動かしたところ、CPU利用率での比較で、3.67倍という性能比が得られたという。

同社では、VMware ESX Serverを使い、ホスティングサービスを行っているが、運用上問題になるのはCPU性能であるという。当初は、メモリがボトルネックになると考えていたが、サービスを行ってみるとCPUの負荷が高くなってしまい、4CPUで最大32ゲストOSが限界だったという。

最後に、再び岩本氏が、「仮想化技術最新動向 I/0の仮想化とインテル VTの今後の進化」と題して、次世代の仮想化技術について解説した。

現在CPUに搭載されているVT-xに対し、VT Gen2と呼ばれる次世代版では、より効率的な実行ができるようになる。最大の改良点は、EPT(Extended Page Tables)と呼ばれるメモリアドレス変換機構で、これを使うことで、仮想マシンが扱う物理メモリと実際の物理メモリの割り当てが指定できる。仮想マシンマネージャ(VMwareなどの仮想化ソフト)によるサポートは必要だが、ゲストOSからは、従来通りの方法で直接物理メモリを操作しているようにみえ、ページフォルトやメモリレジスタの変更などに仮想マシンマネージャの介在を必要としなくなる。この部分は、現在の仮想マシンマネージャでは、ソフトウェアで実現されており、そのためにオーバーヘッドが少なくない。

VT Gen2に搭載予定のEPTは、ゲストOSが扱う物理メモリと実際の物理メモリの対応をハードウェア的に行い、ゲストOSが直接メモリ管理をしているように見せかけるもの。

また、インテルは、チップセット側にも仮想化支援機能であるVT-dを組み込む予定だ。これは、DMAで扱うアドレスを自動的に変換する機構(リマッピングエンジン)がチップセットに組み込まれ、ゲストOSが直接DMAを制御し、転送にVMMが関与する必要がなくなる。

VT-dは、チップセットに統合される機能で、DMAの仮想化を支援する。

VT-dでは、DMAリマッピングエンジンが、仮想マシンごとに、違っている仮想メモリと物理メモリの対応を自動的に変換する。このため、仮想マシンマネージャがDMAデバイスをエミュレーションする必要がない。

さらにPCI Sigでは、PCI Expressデバイスに関して、デバイスの仮想化対応仕様であるIOVを策定している。これは、デバイスを複数の仮想マシンから共有するためのハードウェア仕様で、この仕様に沿ったデバイスがあれば、仮想マシン内のデバイスドライバが直接ハードウェアを制御する「パススルーモデル」で仮想マシンマネージャを開発することが可能になる。仮想マシンマネージャは、仮想マシン間のコンテキスト切り替えなどを行うだけで、各仮想マシンからは、直接、ハードウェアを制御することができる。ただし、対象となるのは、PCI Expressデバイスのみで、個々のデバイスベンダーがこの仕様に応じてデバイスを開発する必要がある。

PCI Sigが策定中のIOVを利用すると、デバイスの仮想化が可能になり、ゲストOS内のデバイスドライバが直接ハードウェアを操作しているように見せることができる。

インテルとしては、まずは、オンボードのイーサーネットコントローラーなどを対応させる予定だという。

また、VT-dは、現在、OEMなどで評価を行っている最中で、対応デバイスなどは未定だが、年内には、VT-dを搭載したチップセットが登場する予定だという。

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