イー・モバイル期待の新端末「EM・ONE」詳報

 

イー・アクセスの携帯電話事業を担うイー・モバイルは、下り伝送速度が最大で3.6MbpsのHSDPA規格によるデータ通信サービス「EMモバイルブロードバンド」を3月31日から東京23区、大阪市、京都市と名古屋市の主要部で開始するとともに、マイクロソフトのモバイル機器向けOS「Microsoft Windows Mobile 5.0 software for Pocket PC日本語版(以下: Windows Mobile 5.0)」を採用した、シャープ製の新たな端末「EM・ONE(エム・ワン)」を発表した。

サービスは月額基本使用料5,980円の月額定額制を採る。ビジネスコンシューマーを主要なユーザーと想定、端末は全国の量販店、イー・モバイルオンラインストアなどで販売する。初年度で30万契約の獲得を目指す。

イー・モバイルの携帯電話事業の先兵「EM・ONE」

新たなスマートフォン「EM・ONE」を投入

新端末「EM・ONE」はディスプレイに、4.1インチW-VGA(800×480ドット)の高精細ASV(Advanced Super View)液晶を搭載、65,536色を表示可能で、PC向けWebサイトをあまり横スクロールすることもなく閲覧できる。ワンセグの受信機能を標準搭載し、ワイド放送もフル画面で表示する。外形の大きさは、約140(W)×70(H)×18.9(D)mm、質量は約250g(充電池、スタイラスペン含む)、バッテリ駆動時間は約4時間。

ワンセグをワイド画面で表示

EM・ONEのメニュー画面

いわゆるQWERTY配列のキーボードを備えているほか、操作部が縦横2方向に開閉する「デュアルスライド機構」を取り入れている。筐体に収納されているキーボードを前面に引き出して、パソコンのように使う「インプットスタイル」、キーボードの右側にあるポインティングデバイスだけ引き出して使う、「コントロールスタイル」、ワンセグ放送を視聴する際に筐体側面に配置されたスクロールホイールで操作する「ビュースタイル」の3つの操作形式が用意され、用途に応じて選べる。また、スタイラスペンや指で、画面に触れて操作することもできる。

パソコン向けWebページをフルに表示可能

「Internet Explorer Mobile」、「Opera Mobile」、「Excel Mobile」、「PowerPoint Mobile」、「Word Mobile」、「Outlook Mobile」、「Windows Media Player 10 Mobile」などを搭載し、PCで作成した「Excel」、「Word」などのデータ編集、「PowerPoint」、「PDF」のデータ閲覧が可能であり、PCと同等の使い方ができるようになっている。ActiveSync機能を使用して、PCとの間でデータのやりとりや「Outlook」などと同期する機能もある。PCで使っているメールアドレスをそのまま利用でき、添付データのあるメールの送受信も可能だ。

さらに、USB機能を備え、キーボードやマウスといったUSB周辺機器が利用可能であるとともに、RGBアダプタ(別売)を利用してプロジェクターなどに接続、大画面でのプレゼンテーションも可能だ。IEEE802.11b/g準拠のワイヤレスLAN機能も内蔵しているほか、Bluetooth1.2に対応、10m以内の「EM・ONE」同士や、キーボードなどのBluetooth対応周辺機器を無線接続することが可能だ。また、PCとUSBケーブルで接続して、パソコン用高速通信モデムとしても活用できる。

「EM・ONE」には、ベンチャー企業のヤッパと共同で開発した3D表示のインタフェースが用いられている。メニューがさまざまなコンテンツを収納した複数の「引き出し」を重ねたような表現になっており、直感的にコンテンツを「引き出す」感覚で使うことができ、操作性を高めた。

Excel MobileなどMSオフィスソフトが稼動する

3D表示のインタフェースを搭載

CPUには、携帯電話やPDA向けプロセッサ「Marvell PXA270 アプリケーション・プロセッサ 520MHz」を採用、Flashメモリは512MB、RAMはSDRAM 128MBで、グラフィックチップはNVIDIA GoForce 5500を搭載する。インタフェースはminiUSB端子(ホスト機能対応)、クレードル端子、RGBアダプタ端子、イヤホンマイク端子(平型)、ACアダプタ端子、miniSDカードスロットを備える。ステレオスピーカー、マイクを搭載、本体背面に有効約131万画素のCMOSデジタルカメラを内蔵、接写も可能で、QRコードやJANコードの読み取りにも対応している。

イー・モバイルの千本倖生会長兼CEOは「『EM・ONE』はケータイ(携帯)の新ケータイ(形態)を目指す、絶対の自信作だ。日本の携帯電話の常識を根底から覆す提案をしていきたい」と強調した。WCDMA技術の面で同社に協力した米QUALCOMMのポール・ジェイコブスCEOは「全世界でCDMAの市場が拡大しているが、日本は新しいアプリケーション、サービス、デバイス、すべてで先進的だ。日本では次に何が出てくるかと、皆期待している。今回、この(『EM・ONE』という)革新の一端を担えたことをうれしく思う」と述べた。

左から、マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長、シャープの松本雅史副社長、イー・モバイルの千本倖生会長兼CEO、米クアルコムのポール・ジャコブスCEO、ヤッパの伊藤正裕社長

シャープの松本雅史副社長は「この商品はちょうど1年前に、イー・モバイルから開発の要請を受けた。シャープは通信とAV、AVと情報など、『横展開』の融合商品を提供しているが、今回は通信・AV・情報の3つを合わせた商品ができた。薄さは18.9mmだが、当初は22-23mmでスタート、それが20mmを切るところまで達した。そこに留まらず、スペックを下げず、さらに小型軽量化することにこだわった」と話す。

マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長は「2010年には日本の携帯電話の70%がコンバージ端末(スマートフォン)になるとの予測がある。『EM・ONE』は、この急成長が見込まれる市場に新風を吹かせた。ユーザーはモバイルでもパソコンと同じ水準の使用環境を求めている。『EM・ONE』は今までにない機能をもったデバイスであり、世界の模範となるものだ」と語った。

3Dインタフェース技術で協力したヤッパの伊藤正裕社長は「コンピュータ、ITはこの20-30年で進化しているようにみえるが、ユーザーとのコミュニケーション手段は文字、音声、画像、動画の4つしかない点は変わっていない。『EM・ONE』は高速通信が可能で、多数の情報にアクセスできるので、情報と接点をよりわかりやすくするできるよう工夫した」としている。

(料金プランは別稿に掲載します)

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