韓国でDRM解除の無制限音楽ダウンロードサービスが登場、論争は必至

佐々木朋美  [2007/02/09]

韓国で意表をついた音楽配信サービスが始まり、大きな話題となっている。火付け役となっているのは、音楽配信サイトとしては老舗のBugsだ。

Bugsは7日、月定額でMP3ファイルを無制限にダウンロード/ストリーミング可能な料金制を開始した。

今回始まった料金制は2種類。「無制限ダウンロード自動決済」は、4,000ウォン/月でダウンロードが無制限となるもので、「無制限ダウンロード&ストリーミング自動決済」は、5,000/月でダウンロードとストリーミングが無制限となる料金制度だ。

最近、会員数を大きく伸ばしてきている携帯電話キャリアが提供している音楽配信サービスは、SK TelecomとKTFのものが4,500ウォン/月、LG Telecom(以下、LGT)は5,000ウォン/月となる。

キャリアがこぞって音楽配信サービスを開始したのは2004年末頃から。多くの加入者を囲い込むようにサービスを始めたことや、携帯電話さえあれば聴けるという手軽さから、キャリアの音楽配信サービスはすっかり韓国市場に定着した。それは老舗のBugsをもしのぐ勢いだった。しかし、今回の4,000ウォンという安さはこれらに充分対応しうるものであるといえる。

ただし、キャリアの音楽配信サービスを利用するには、基本的にそのキャリアに加入していることが前提となる。というのは、キャリアごとにDRMが違うためだ。例えばKTFの音楽配信サービスからダウンロードした音楽を、LGTの携帯電話では聴くことができない。もしキャリアをKTFからLGTに変えれば、それまでダウンロードした音楽の数々をLGTの携帯電話に移して聴くことはできないため、新たにダウンロードし直す必要があるのだ。

Bugsでは今回、こうした不便さを克服するような思い切った対策を講じた。それがDRM解除だ。

今回、2つの料金制度よりも特徴的なのは、DRMを解除している点にある。Bugsはこれについて、「(音楽の)不法複製防止のために用意されたDRMは、機器ごとに統一されていなかったため不便であったのと同時に、かえってユーザーを不法市場に導くという逆効果をもきたしていた」と述べている。

さらに同社は今回の措置について、「有料音楽市場が形成されて2年という時を経ても、なお不法市場にとどまっているユーザーを合法な市場に導こうとするためのもの」と説明した。

ユーザーの不便が解消されたのは良いとしても、音楽を制作する側の反発は必至だ。BugsによるDRMなしの料金制度下において、ユーザーは積極的に有料ダウンロードを行うのか、という点が論点となるだろう。結果がBugsの狙い通りになるかどうかは未知数であり、今後の状況を見守る必要がある。

ところでこうした対策を講じざるをえないのは、韓国の音楽サービスで利用されているDRMが統一されていないということに端を発するものでもある。ユーザーの便宜を考えれば、まずはDRM統一を考慮する必要があるのではないだろうか。



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