個人情報保護に年間1,670億円 - 韓国

    佐々木朋美  [2007/01/28]

    個人情報保護に対する年間総価値は約1兆2,982億ウォン(約1,670億円)。韓国の個人情報に関する意識調査で、このような結果が明らかとなった。

    これは韓国情報通信部と韓国情報保護振興院が2006年10月、個人情報流出に対する経済・社会的な価値を把握する目的で、全国のインターネット利用者2,402人を対象として実施した調査で明らかになった。

    前出の1兆2,982億ウォンという数値は、調査対象者が個人情報流出を防ぐため1カ月に支払える費用として挙げた月平均額を、韓国の全インターネットユーザー数に換算し、1年あたりの数値を割り出したものだ。

    この調査によると、個人情報流出を防ぐため1カ月に支払える平均額は3,914ウォン(約500円)/1人という結果になった。13~59歳までの韓国のインターネット人口は約2,764万人。1兆2,982億ウォンという数値は、これに12カ月をかけた結果というわけだ。

    また個人情報保護のために金銭的負担を行う意思のあるユーザーは、全体の61.4%にあたる1,476人となった。

    さらに個人情報の種類を8つに区分し、情報流出の深刻度を5点満点で評価した結果によると、もっとも深刻度が高かったのはクレジットカードや銀行口座などの「金融情報」(4.38点)だった。

    僅差で2位となったのは、韓国国民1人1人に与えられる「住民登録番号」(4.32点)。これに続いて電話番号やメールアドレスなどの「通信情報」が4.16点、防犯カメラ映像などの「映像情報」が4.07点となっている。

    同時に個人情報の流出について、もっとも早急な改善が必要な項目は、深刻度の順位とは若干異なった。1位だったのは52.36%を占めた「住民登録番号」で、2位の「金融情報」(32.07%)より高くなった。

    昨年起こったMMORPG「リネージュ」ユーザーの住民登録番号盗用事件は記憶に新しいが、あらゆるWebサイトやサービスへの登録時に利用される住民登録番号は、便利な一方、もっとも漏れやすく狙われやすい個人情報の1つとなっている。こうした状況を一刻も早く改善し安心してインターネットを楽しみたいというのが、ユーザーの願いであるようだ。

    種類別個人情報流出の深刻度と、もっとも早急に改善が必要な項目

    住民登録番号流出については、これを直接入力せずとも本人確認が可能な「i-PIN(Internet Personal Identification Number)」と呼ばれる手法が考案されている。指定の機関に本人確認を行ってもらうことにより、住民登録番号に代わる番号を与えられる制度だ。

    しかし、今のところi-PIN自体の知名度がまだ高いとはいえない状況であるため、普及にはまだ時間を要するだろう。韓国情報保護振興院はWebサイトでi-PIN情報を網羅したページを26日に公開予定としており、認知・普及を促進したい意向だ。

    個人情報流出はいまや世界的な問題となっている。こうした状況が続くようであれば、今回の調査で算出された、個人情報保護に対する総価値は将来にはもっと上がっているかもしれない。

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