成長が予想されるMVNO市場 - 課題はデータサービス

末岡洋子  [2007/01/17]

携帯電話オペレータの回線を借りて携帯電話サービスを提供するMVNO(仮想移動体サービス事業者)は、調査会社の英Juniper Researchによると、今後も順調にユーザーを増やし、市場パイを拡大することが予想されるという。だが現状では利用は音声通話が中心で、安い音声通話の提供にとどまらないサービスの拡充が今後の課題となりそうだ。

これは同社が1月17日に発表した北米、欧州、アジアなど世界のMVNOの現状と課題をまとめた調査報告書「Consumer MVNOs: Current Status, Future Markets and Strategies, 2006-2012」によるもの。

調査報告書では、世界ベースのMVNOの加入者数は今後も増加する見込みで、2006年には約9300万人だったが、2012年には約3億5200万人に達する予想という。これに合わせてMVNOの市場規模も成長し、2006年には約150億ドルだった売上高は、2012年には670億ドルと4倍以上に膨れる見込みだ。同社では、670億ドルの内訳として、420億ドルが音声通話からで、モバイルデータ通信は残りの250億ドルと見ている。データ通信では、音楽とゲームが中心になるという。

このように、順調に成長するかに見えるMVNOだが、地域により大きく異なる。MVNOが早く立ち上がり、受け入れが進んでいる西欧州や米国では、2010年ごろからユーザー数と売上げにおいて縮小が予想されるともという。

このようなMVNOが発達した地域での変化について同社では、「MVNOの役割とフォーカスがシフトしてきているため」と見ている。これまでMVNOは主として、余計なサービスをつけない、縛りのない安価な音声通話手段として発達してきたが、それだけでは生き残れなくなりそうだ。同社によると、今後、音声通話のみのMVNOが長期的に成功するには、強いブランドと小売店での存在感が必要としている。また、モバイルエンタテインメントに特化したMVNOはニッチ市場では成功する可能性があっても、一般での受け入れは進まないだろうとも記している。モバイルデータで成功するには、コンテンツをユーザーの期待やニーズに合わせることが重要となるという。

報告書ではさらに、既存のモバイルオペレータに対しては、回線を提供するモバイルデータ特化型MVNOとの関係を見直し、競合ではなく同じバリューチェーンの一部として見る必要があるともアドバイスしている。

このほかのトレンドとしては、テレコム業界以外からMVNOが誕生し、ネットワークオペレータと直接競合しない新しい市場・サービスを創出する可能性があることを挙げている。

Virgin Mobileなどの複数のMVNOが乱立している英国では、昨年末、easyMobileがサービスをいったん停止している。

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