KDDIが提唱する「つながる安心」と「つながらない安心」

    大川淳  [2007/01/11]

    KDDIが10日に発表した携帯電話「ジュニアケータイA5525SA」および「Sweets cute」は、子供たちの安全性確保に最も大きな重点を置いている。成人向けの携帯電話市場は飽和状態といわれ、ナンバーポータビリティも始まり、競争はさらに激化へと進んでいる。今回の新製品では主として小学生層に照準をあわせ、この世代を対象とした端末の「最強の集客力は安全性」と捉え、「つながる安心」と「つながらない安心」を主題としている。前者は位置情報補足などの機能、後者は有害情報の遮断や使いすぎの防止を意味する。

    同社が「ジュニアケータイA5525SA」と「Sweets cute」に搭載する「移動経路通知」機能では、端末の現在地を1分間隔で連続的に測位し、それらの位置情報は同社のサーバーに通知され、時系列に沿って保存される。これにより、どのような経路をたどって移動しているかを、登録された携帯電話やパソコンの画面に表示した地図上で確認することができる。

    端末の移動経路を地図上で確認できる。地図はパソコンと携帯電話のどちらでも表示可能

    「移動経路通知」機能が動作するのは、防犯ブザーが鳴った場合、あるいは電源が切られた場合だ。このような事態には、自動的に写真を撮影するとともに、電話を発信する。撮影された写真は、親などのペア登録相手に対して、位置情報が確認できるURLとあわせて電子メールで送信する。

    一方、「移動経路通知」機能は単独で動作させることも可能で、ペア登録相手のau携帯電話から特定の文字列を含むCメールを受信すると、位置情報が確認できるURLをEメールで送信し、移動経路通知を実行する。

    利用にあたっては情報料は無料で、パケット通信料だけで利用できる。この機能は2時間で自動終了するが、2時間使用した場合の目安としては、メール送信に20円、位置情報をサーバに通知するのに二百数十円ほどかかるという。保護者側は端末で位置情報を閲覧するのに通信料として120~130円程度が必要になる模様だ。パケット通信割引は適用されない。

    また同社は、端末の位置を捕捉・確認できる「安心ナビ」のサービスを展開しているが、今回その機能を拡充した。あらかじめ登録された家族の所在地を確認できる「いつでも位置確認」に、設定した時間帯に一定間隔で位置確認を自動的に行う「自動確認」を追加した。

    さらに、これまで「安心ナビ」アプリは「安心ナビ エリア通知」と「安心ナビ 位置確認」の2つに分かれていたが、これらを統合した。「エリア通知」機能を使っている際でも「位置確認」機能を同時に利用できるようになり、電子メール作成など他の操作をしていても位置確認が可能になる。これらの機能は「A5523T」「Sweets cute」「ジュニアケータイ A5525SA」で利用できる。

    同社によれば、保護者が子供の携帯電話所持で最も懸念していることは「有害サイトへのアクセス」と「多額の電話代」で、ともに83%が回答している。また「犯罪に巻き込まれる」も57%と高い。(携帯電話販売などを手がけるネプロジャパンが2006年10月に調査、複数回答)。そこで、外部の危険「つながらない安心」を確保するための施策を用意している。

    「ジュニアケータイ A5525SA」では、迷惑メールの受信、あるいはメールに含まれる電話番号やURLなどへの不用意なアクセスを防止したり、通話可能時間やメール送信可能回数などを設定できる「ジュニアモード」を設けている。アドレス帳に登録されていない相手からのメールは受信しない「アドレス帳外受信拒否」などが可能だ。「Sweets cute」でも、同様の機能がある「ティーンズモード」を備えた。

    「多額の電話代」への対応策としては、au携帯電話の利用料が一定額を超過した場合、メールでの告知や、通話/パケット通信の発信を規制する「料金安心サービス」の「ご利用停止コース」に、段階停止方式を3月1日に新設する。

    従来、限度額に達した場合には、一度だけ発信規制を解除できる「一回停止方式」を適用していたが、「段階停止方式」では、発信規制を解除しても次の限度額で再度発信規制となるという。また、通話料金・パケット通信料金の月ごとの合計の新しい限度額として「1,000円(税抜)」を追加した。これにより、子供の安全のためにau携帯電話を利用している保護者が、通話料金・パケット通信料金の合計が1,000円になった場合、一旦発信を規制し、利用額を確認した後に発信規制を解除し、次の限度額である3,000円になった場合に再度発信規制を行う、といったことができるという。発信規制は、通話、Cメール、パケット通信、EZアプリ通信、テレビ電話が対象となり、110番、119番等の緊急発信は可能だ。

    同社au商品企画本部 プロダクト企画部 ラインナップグループリーダーの水野有紀氏は「携帯電話を、単なる電話機ではなく安心のツールにしていきたい」と話す。ただ、同社は販売目標は公表していないが「できるだけ多く(ユーザーを)獲得したい。小学生人口は減っているが、携帯電話をもちはじめる年齢は下がっている」(水野氏)としており、市場全体の「パイ」拡大とともに、低年齢のうちからau端末に慣れ親しませる効果も狙う。

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