「インターネットの掲示板に掲載された名誉毀損の書き込みは誰の責任か」-- 増え続ける問題に1つの解を与える判決が11月20日(米国時間)、米カリフォルニア州最高裁判所で出された。同裁判は、同州サンディエゴ在住のある女性が、電子メールで受け取った文章をインターネット上の会議室に投稿したところ、この文章が同裁判の原告となっている人物の名誉を毀損するものだとして訴えられていたもの。この名誉毀損の責任がだれに帰属するのかが争点となっていた。今回の判決では被告である女性側の主張を認め、名誉毀損に関する法的な責任を被るのはオリジナルのソースを配信した人物/場所にあり、インターネットでの情報の再配信を妨げてはならないとの結論を結んでいる。
今回の問題は、被告となったIlena Rosenthal氏が、共同被告となっている友人のTim Bolen氏より受け取ったメールを2つのニュースグループに投稿するなど、2次配信を行ったことに起因する。Bolen氏の「Opinion by Tim Bolen」と題された電子メールには、今回原告となったStephen Barrett氏のカナダ人ラジオプロデューサーへのストーカー行為を告発する内容が含まれていた。Barrett氏によれば、Rosenthal氏は同氏の警告にも関わらず、この電子メールを引用という形でネット上に投稿したのだという。米国では「Communications Decency Act of 1996(CDA:通信品位法)」でネット上での名誉毀損について制限する法律を定めており、今回のケースはこれに抵触するというのが訴えの根拠だ。
ここで注目されたのは、ネットにアクセスする個々人やサイトの運営者が、どこまで情報についての責任を負うのかという点だ。Rosenthal氏は本来の情報ソースの持ち主ではなく、あくまで二次配信を行った立場である。通信品位法の適用範囲によっては、自身のブログに告発文を掲載したニュースへのリンクを貼っただけの個人、フリーの掲示板サイトを運営している個人や団体が第三者の投稿によって訴訟を抱え込むリスクが発生することにもなる。こうした経緯もあり、ネット上でサービスを展開する大手IT企業らも裁判の成り行きに大きな関心を払っていた。今回のケースでは直前の判決とは一転して女性側の訴えを認めており、名誉毀損の責務を負うのはあくまでオリジナルの情報ソース提供者であり、再配信を行った人物や団体には適用されないことが示された。今回の判決により、今後同種の名誉毀損に関わる裁判の結果が大きく左右されることになるだろう。
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