楽天とドコモ、「最終兵器」のオークション「楽オク」を開始

    小山安博  [2006/11/13]

    楽天とNTTドコモが共同出資する楽天オークションは、PC向けのオークションサービス「楽天オークション」(楽オク)を11月13日から、iモード向けを11月20日から開始する。iモードの公式サイトでの個人向け取引サービスは初めてで、ドコモでは携帯電話ナンバーポータビリティ(MNP)向けの「最終兵器」(ドコモ執行役員 夏野剛氏)としており、2010年には4,000億円規模に拡大させたい考えだ。

    楽オクでの3つのキーワード

    楽天が楽オクに注力する理由

    楽天グループの2種類以上のサービス利用者は着実に増加しており、楽オクでさらにそれを推し進めたい考え

    楽天市場のモバイル版も好調

    大きな特徴が、個人情報を開示せずにオークションが利用できる匿名エスクロー「楽天あんしん取引」を個人間の取引で標準とした点。これまでオークションを利用する際に個人情報を開示することでトラブルに巻き込まれるなどの懸念があり、「それがブレーキになってオークションに(腰が)引けている人がたくさんいる」(夏野氏)。匿名エスクローを標準にしている点が、他のオークションサービスと比べて「新しく、ほかにない」(同)特徴だとしている。

    オークションに関する不安

    両社は昨年10月に業務提携、楽天オークションを設立してサービス提供の準備を進めてきたが、この匿名エスクローを標準とするための作業に時間がかかったとしているが、匿名化によって「潜在ユーザー数は他社の何倍もある」(同)という。

    楽天の三木谷社長

    ドコモの夏野氏

    楽天あんしん取引では、落札者は落札した商品の料金をエスクロー会社(楽天オークション)に入金、出品者は落札者のオークションIDを記入してゆうパックで商品を送り、郵便局がIDから落札者の住所などを記した伝票に張り替え、落札者に届ける。落札者は届いた商品を確認し、問題がなければその旨を自分のサイトから設定、その後出品者に入金される仕組みだ。

    楽オクの使い方。個人出品者は登録料や月額料は無料。当初PCからの出品は落札価格の3%を手数料として徴収するが、携帯からは無料で出品できる

    落札側。空メール送信だけで入札できる

    落札すると、デコメールで落札が通知され、Flashを使って楽しさを演出する

    個人ページのマイオークションでは、現在取引がどの状態から一目で分かる

    マイオークションでは、落札後、入金しなければいけないなどの情報が表示される

    エスクローの仕組み

    この仕組みによって個人情報の開示が不要になり、さらに出品者・落札者ともオークション詐欺に遭う可能性が減る。夏野氏は、この仕組みにより、携帯電話向け、PC向けいずれでも「日本一にしたい」と話す。

    さらに楽オクでは、携帯電話から空メールを送るだけでオークションの準会員になれるなど、簡単に利用できる仕組みも導入。ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「オクトモ」も提供し、落札者と出品者がコミュニケーションをとれるほか、お気に入りのブランドや商品などをキーワードとして設定しておくと、同じキーワードのユーザー同士を表示、コミュニケーションを取ることができる。

    オクトモ

    ほかにも、落札者、出品者ともにお互いの評価を行え、評価ポイントがたまるとアイコンが変化して「レベルアップ」するなど、SNSとともにエンターテインメント性も追加したとしている。

    現在楽天が提供している個人向けオークション「楽天フリマ」は今月で終了し、楽オクに統合する。この楽オクに注力してきたため、楽天フリマ、楽天スーパーオークションともに、大きく力を入れてこなかったと三木谷社長。それだけ注力してきた楽オクだけに、三木谷社長は楽天グループの中核となるビジネスアプリケーションになると期待する。

    ECサイト、オンライントラベル、オンライン証券では上位につける楽天だが、オークションに関しては遅れていたとの認識で、三木谷社長は「(楽オクを)徹底的に強化していきたい。総力を挙げて楽天オークションをサポートしていく」と意気込みを語る。

    ドコモの夏野氏も、MNPが始まり、ますますサービスを強化しないとシェアを確保できないとの認識を示し、「FOMA 903iシリーズ」発表の際と同様、「攻めの姿勢」を打ち出す。PC向けではヤフー、携帯電話向けではauが強いオークションだが、「PCでもモバイルでもナンバーワンになるためには、楽天と組んで本格的にやっていかないといけない」と共同出資の理由を話す。

    その結果、MNPを勝ち抜くために端末では903i、サービスではナップスターや楽オクによって「端末に死角なし、コンテンツに死角なし」を実現したい考えだ。特に楽オクは「死角なし(を実現するため)の最終兵器」だとして積極的に普及をねらっていく考えだ。

    楽オクは、携帯向けではiモードのiメニューのトップにリンクを掲載。夏野氏によればiメニューはFOMAユーザーだけでも月間2億ページビュー、同2,100万のユニークアクセスを稼ぐ「日本有数のポータルサイト」で、楽オクへのユーザーのアクセスを期待する。

    iメニューのトップページにオークションへのリンクを掲載する

    楽オクでは、携帯とPCでの利用の垣根をなくなくなり、出先では携帯で商品をチェック、家に帰ったらPCで落札する、といったように携帯でもPCでも区別なく利用できるようになれば「成功」(夏野氏)で、そういう姿を思い描いているという。

    2010年には、楽オクでの流通総額約4,000億円、ユーザー数約1,500万人、出品商品常時約1,000万品を目指す。ただしこれ自体は「控えめな数字」(三木谷社長)だとしている。

    なお、夏野氏は、「携帯はまだまだ進化する。携帯が生活のハブになる」と話し、PCや大画面テレビなど、いろいろな機器と連携する中心に携帯を置きたいとし、今後も携帯サービスを強化していく意気込みを語った。


    ところで、取材会場では楽オクスタートを記念して「第1回楽オク・エアギターバトル エアネス2006」が開催された。司会はエアギタージャパン会長のかながわIQさん(右)とグラビアアイドルの東原亜希さん

    通常のエアギターとは異なり、対戦形式

    リッキー・マッケンジーさんとゴー☆ジャスさん

    市川 the ROCKさんと宮城マリオさん

    対戦の合間には、ラウンドガールをこなした鈴木礼央奈さんと志摩有里加さんもエアギター

    吉田カレー味さんとKOHSUKEさん

    ROLLYさんも期待した対決が……

    エアギター2006年世界チャンピオンのダイノジおおちさんと同5位の金剛地武志さん

    この楽オク・エアギターバトルのチャリティーオークションも20日に開催。収益はすべて国連児童基金(ユニセフ)に提供される。こちらは世界選手権でおおちさんが折ったギター5本のうちの3本目らしい。え、見えない?

    おおちさんの靴、金剛地さんのネクタイ、土屋アンナさんのサイン入りエアギター教則本、宮城マリオさん・土屋アンナさんのサイン入りTシャツ、東原さんのサイン入りポスターがオークションにかけられる。ここにはないが、おおちさんの虎のセーターも出品されるそうだ

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