米MS、RSA Conference Euroで「Windows Defender」の正式版を発表

Junya Suzuki  [2006/10/25]

米Microsoftは10月24日(米国時間)、現在フランスのニースで開催されている「RSA Conference Europe 2006」において、「Microsoft Certificate Lifecycle Manager(CLM) Beta 2」の提供ならびに、「Windows Defender」の無償提供開始を発表した。これは同カンファレンスの基調講演において、同社セキュリティ技術部門担当バイスプレジデントのBen Fathi氏が先日のOSPによるSender ID Frameworkの仕様公開とともに、同社のセキュリティに対する最新の取り組みとして紹介したもの。

Windows Defenderは、Windows AntiSpywareと呼ばれていた製品で、2004年12月にMicrosoftがGiant Company Softwareを買収して獲得した技術だ。AntiSpywareはベータ公開の段階から無償提供が続けられており、同社では「製品版も無償提供を行っていく」と表明していた。今回正式版として公開されたのはWindows Defenderの英語版で、Windows XPの正規ユーザーを対象にダウンロードサービスが提供される。Windows XP向けの英語以外の多言語対応版は数週間内に順次提供される予定。また2007年1月登場予定のWindows Vistaでは、製品内のコンポーネントとして組み込まれることになる。

一方、Microsoft CLMのベータ2版は企業内インフラにデジタル認証やスマートカード認証の仕組みを低コストで展開するためのソリューションだ。既存の各種セキュリティ製品群と組み合わせることで、本人認証やID(Identity)管理をWindows環境上で実現できる。現在ベータ2版は同社のCLMページにて配布が行われている。

Fathi氏はまた、Windows Vista世代でサポートされることになる「CardSpace」技術にも触れた。CardSpaceは従来まで「InfoCard」と呼ばれていたもので、インターネット上で本人認証や個人情報を管理するためのソリューション。例えばオンラインショッピングをするときなど、現状ではショッピングサイトごとに個人情報を入力して認証を行っているが、CardSpaceの技術を利用することで、こうした認証を一元処理することが可能になる。ショッピングサイトで認証を求められた際も、CardSpaceに登録された必要最低限の情報をユーザーが取捨選択して先方に渡す形になるため、昨今問題となっている企業サイトでの情報漏えい問題に対抗する手段にもなる。

Fathi氏はそのほかにも、「Microsoft Network Access Protection」という技術を紹介した。Network Access ProtectionはWindowsネットワーク内にアクセスコントロール技術を導入するもので、機密情報が保管されたネットワーク領域には、必要なロール(権限)を持ったユーザーでなければアクセスできないようにする。Cisco SysmtesのNetwork Admission Control(NAC)と互換性があり、Ciscoの対応ネットワーク製品と組み合わせることで、ハードウェアレイヤに近いレベルからアクセスコントロールを行うことができる。Windows Vistaのほか、Windows "Longhorn" Serverの世代で標準サポートされることになる。

基調講演の中では先日リリースされたInternet Explorer(IE) 7も取り上げられた。英語版のリリースからわずか4日で300万ダウンロードを達成したという。「IE7はセキュリティ機能が強化されており、間もなく登場するWindows Vistaとの組み合わせで大きな力を発揮する」というのがMicrosoftの見解だ。さらに64ビット環境で信頼性やセキュリティ、パフォーマンスのさらなる向上が期待できると、最新Windows技術と64ビット環境を組み合わせたセキュリティ対策のメリットを業界に訴えた。

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